4-1. ロビー(部屋①)


この部屋の内部は先程までの様子とは異なり、赤と黒の色で異様な雰囲気を醸し出している。
床は血のような深紅に染まり、その反対に壁と天井は漆黒で、まるで闇そのものが空間を覆っているかのようだ。
赤い光が微妙に部屋を照らし、その光が黒い壁に反射して、ぼんやりとした不気味な輝きを放っている。

部屋の隅々には古風で重厚感のある調度品が配置されており、それらがこの場の雰囲気を一層不気味にしている。
重たい赤いベルベットのカーテンが天窓を隠し、外界からの光を一切遮断している。
その他の調度品には、鋭利な彫刻が施された椅子や、奇怪な模様のカーペット、そして壁には古い肖像画がかけられていて、見る者に不安を与える。

特に目を引くのは、部屋の中央に展示されている蝋人形たちだ。
これまでの蝋人形とは一線を画すほど、彼らは驚くほどリアルで、まるで生きているかのように感じられる。
一体一体の表情が痛みや恐怖を表しており、その瞳は訪れる者をじっと見つめ返す。
特に一体の蝋人形は、微かに微笑むような表情をしており、その微笑みが時折、より悪意に満ちたものに変わるように見えるのは、訪れた者の心理状態を翻弄する。

館内に響くのは、どこからともなく聞こえる囁きや、床板が軋む音、それらが不気味な笑い声のように響く。


※地図を公開



現在位置は①のロビー。
君たちはそれぞれPC1が②、PC2が③からでてきたところだ。

②③④⑤の部屋には扉が付けられておらず、部屋の中身を覗き見ることができる。
⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬の部屋には扉が付けられており、中を覗き見ることはできない。

そして、突然の出来事と不気味な部屋の様子に圧倒され気づかなかったが…暑い。暑すぎる。
間違っても蝋人形を扱うこのような場所がこんなに暑いはずはない。
その事に気づいた瞬間、思い出したかのように体から汗があふれる。


🎲判定:アイデア ※時間経過なし
判定成功!
君は気づく。気づいてしまう。
流れ出ているのは汗ではない。これは君自身が溶け出しているのだ。まるで火に炙られる蝋人形のように。
恐ろしい事実に気がついてしまった君はSANチェック。

 SANc:1/1D4 
判定失敗...
暑くて思考が回らない。
※ここで気づかなかった場合は、時間経過ごとにアイデアを振らせてください

🟡KP向け:探索の時間経過について
技能を一回振るごとに10分時間が経過します。
探索開始時刻は21時となっていますので、約束の0時までに一人当たり最大で合計18回まで技能が振れます。

※同時に二人振る場合は1回のカウントでOKです
※先程のアイデア判定に関しては時間経過を免除で大丈夫です
※④⑤の部屋にいる間は時間経過が発生しません(技能を振る機会がありません)
※探索終了後などに④⑤の部屋で時間を待つ宣言があった場合は時間を進めてください(この場合後述のSANチェックは発生しません)
🟡KP向け:時間経過でのSANチェックについて
探索中は時間経過に応じ、SANチェックが発生します。
以下を基準として、SAN値減少イベントを発生させてください。
これらはすべて秘匿チャットにて行います。


⌛️30分経過
ダラダラと汗、もとい君自身が流れ落ちる。
このまま汗というなの自分自身を流し続ければ自分は一体どうなってしまうのだろうか。
後に何も残らないでそのまま露と消えてしまうのではないだろうか。
嫌な想像を働かせたあなたはSANチェック。

 SANc:1/1D3   APP-5(6版は-1) 
⌛️60分経過
ぼとりと大きな塊が君から崩れ落ちる。
ハッとして手で抑えると、体が大きく欠けたにも関わらず、その部位は健在だった。
ホッとしたのもつかの間、隠した手から隠れ見える地肌を見て君は気づく。
こぼれ落ちた部位から現れたのは、醜かった君の本来の身体だ。
つまり現在溶け落ちているのは、理想を体現した今の君自身なのだ。
慌てて別の部位から流れ落ちる君自身を塗りたぐって地肌を覆うも、未だ冷や汗は止まらない。

 SANc:1D2/1D5   APP-5(6版は-1) 
⌛️90分経過
じわじわ君自身が崩れ落ちていくのが実感できる。
上半身はまだ形を保てているものの、下半身が徐々にその形を崩しつつある。
今の君たちに脚線美というものは期待できないだろう。

 SANc:1/1D3   APP-5/DEX-5(6版は-1) 
⌛️120分経過
手の先の感覚がだんだんと薄れてきた。
汗を拭おうにもその手自体がドロドロと流動的になってしまい、うまく拭うことができない。
各々の美しかった指、勇ましかった指ももはやマスコットのような有り様だ。

 SANc:1/1D4   APP-5(6版は-1)/手を使う技能-10% 

⌛️150分経過
気がつけば君の胴体は、流れ出た君を沢山受け止め、まるまる肥えたような様相になってしまった。
ずんぐりとしたそのシルエットからは、元々の美しい曲線美や、勇ましい筋肉の様子はもはやうかがい知ることができない。

 SANc:1D2/1D5   APP-10(6版は-2) 

⌛️180分経過
顔がゆがんでいくのがわかる。頬はだらしなく垂れ、目はぼんやりと溶け込むようにその輪郭を失っていった。
触れる度に指先が柔らかく食い込む皮膚は、まるで熱蝋が形を成す前のように流動的だ。
恐怖で声を上げようにも、喉も溶け始めており、出るはずのない声がただの呻きに変わる。
体が崩れ落ちるような感覚に襲われながら、手を見ると、指が互いにくっつき始めている。
動かそうとする力に反して、それらはただ一つの塊へと変わっていく。
地面に足をつけると、足の形が不定形に広がり、重力に逆らえずに床に根を下ろすかのように固まり始める。

 SANc:1D3/1D6   APP-15(6版は-3) 
※ここでAPPは0以下にはなりません


🔽この部屋(①)を調べる場合

🎲判定:目星 or アイデア
判定成功!
館内の薄暗い照明のもと、蝋人形たちは静かに佇んでいた。
一歩一歩近づくたびに、その異様なリアリティに心がざわつく。
彼らの皮膚の質感、瞳の輝き、まるで血液が流れているかのような生気に満ちた色合い。
特に目が、あまりにも生き生きとしていて、視線がこちらを捉えて離さない。
その瞬間、彼らがただの蝋人形ではないかのような錯覚に陥る。

部屋の奥から微かに聞こえる低い唸り声。
風がないにもかかわらず、蝋人形の一つがほんのわずかに動いたように見える。
その動きはほとんど目に見えないほど微細で、気のせいかもしれないと自分に言い聞かせるが、恐怖はすでに心の底に根を下ろしている。
ほかの蝋人形も、じっとこちらを見ているようで、その視線は重く、逃れられない。

 SANc:0/1 
判定失敗...
これまでよりもリアルな蝋人形だなと思う。
🔽④⑤の部屋を覗く場合
④⑤の部屋に近づくと、ひんやりとした空気が漂ってくる。
この部屋に入っている間は暑さをしのげるかもしれない。

中はなにもないがらんどうとした部屋だ。
④の部屋は壁と床、天井に至るまで真っ赤に染められており、その逆に⑤の部屋は壁と床、天井が真っ黒に染められている。
そして調度品や家具などが何一つない中、それぞれの部屋の中央に、裸のマネキンが1体ポツリと置かれている。
マネキンはそれぞれ、④の部屋が黒いマネキン、⑤の部屋が赤いマネキンとなっている。


フロアの探索

4-2. ②の部屋


🔽PC2が入ろうとした場合
君はPC1に連れたって②の部屋に入ろうとする。
しかし、入口の何も無い空間で君は突如透明な壁にぶつかったかのように弾かれてしまう。
対するPC1はというと何事もないかのように中にはいっている。

※中に入ろうとする試みはすべて徒労に終わります


🟥以降秘匿(PC1のみ)



部屋は先程見たとき同様、一面血のような真っ赤で染められていた。
壁、床、天井、家具までが血のように赤い色で覆われており、その中で異様な静寂が支配している。
赤い色が際立つこの空間は、一歩足を踏み入れるだけで心臓の鼓動を速め、不安と緊張を掻き立てる。

部屋の中心には、その全てを飲み込むような漆黒の手紙がぽつんと置かれている。
その手紙は、赤い部屋の中で唯一異色を放ち、不気味な存在感を放っている。

▶手紙の内容
Collect my robe of divinity.
Then I will give you the means to break the covenant.

🎲判定:英語
判定成功!
わたしの(神の)装束を集めなさい。
そうすれば、あなたに契約を破る手段を授けましょう。

そのように書かれている。
判定失敗...
何かを集めるように指示されているようだが、詳細はわからなかった。

また、それ以外にめぼしいものは特に見つからなかった。
そう、ここに倒れていたはずだが、出入り口も①に続くものしかなかった。


4-3. ③の部屋


🔽PC1が入ろうとした場合
君はPC2に連れたって③の部屋に入ろうとする。
しかし、入口の何も無い空間で君は突如透明な壁にぶつかったかのように弾かれてしまう。
対するPC1はというと何事もないかのように中にはいっている。

※中に入ろうとする試みはすべて徒労に終わります


🟥以降秘匿(PC2のみ)



部屋は先程見たとき同様、一面漆黒の闇のような黒で染められていた。
壁、床、天井、家具までが光を返さぬ黒で覆われており、その中で異様な静寂が支配している。
黒い色が際立つこの空間は、一歩足を踏み入れるだけで心臓の鼓動を速め、不安と恐怖を掻き立てる。

部屋の中心には、そのすべてを跳ね返すような真紅の手紙がぽつんと置かれている。
その手紙は、黒い部屋の中で唯一異色を放ち、不気味な存在感を放っている。

▶手紙の内容
Collect my robe of divinity.
Then I will give you the means to break the covenant.

🎲判定:英語
判定成功!
わたしの(神の)装束を集めなさい。
そうすれば、あなたに契約を破る手段を授けましょう。

そのように書かれている。
判定失敗...
何かを集めるように指示されているようだが、詳細はわからなかった。

また、それ以外にめぼしいものは特に見つからなかった。
そう、ここに倒れていたはずだが、出入り口も①に続くものしかなかった。


4-4. ④の部屋


🔽PC2が入ろうとした場合
君はPC1に連れたって④の部屋に入ろうとする。
しかし、入口の何も無い空間で君は突如透明な壁にぶつかったかのように弾かれてしまう。
対するPC1はというと何事もないかのように中にはいっている。

※中に入ろうとする試みはすべて徒労に終わります

🟥以降秘匿(PC1のみ)



家具一つない、真っ赤な壁、天井、床の部屋。
その空間は絶え間なく圧迫感を醸し出し、異様なほどに真紅が全てを支配している。
どこを見ても逃れられない赤色は、まるで血が滴るような生々しさで、訪れる者の心理を深くかき乱す。
部屋の空気は重く、息苦しさを増すばかりで、その静寂は耳をつんざく。

この一面の赤に囲まれた中心に、真っ黒なマネキンが静かに佇んでいる。
そのマネキンは人間の形をしているが、一切の表情がなく、ただ黒く光沢のある表面が、部屋の唯一の光源から微かに反射する。
その光沢は、マネキンがただの人形ではないような生命の気配をほのめかし、不気味さを一層強調する。

マネキンの姿勢は自然でありながら、何かを待ち構えているかのようにも見える。
その位置は部屋のどこから見ても完全に中心にあり、誰もがその存在を無視できないよう強制される。
部屋に響くのは自分の心臓の鼓動だけで、それが異常なほど鮮明に聞こえる。

🔽マネキンを観察する場合
恰幅の良い女性の全身マネキンだ。
表面はすべて黒に覆われ、真っ赤な部屋の中に異様に浮いている。
🔽黒のマネキンに赤い衣装を4点着せた場合
黒の神の逆鱗
🔽黒のマネキンに黒い衣装を4点着せた場合
黒の神の降臨


4-5. ⑤の部屋


🔽PC1が入ろうとした場合
君はPC2に連れたって⑤の部屋に入ろうとする。
しかし、入口の何も無い空間で君は突如透明な壁にぶつかったかのように弾かれてしまう。
対するPC1はというと何事もないかのように中にはいっている。

※中に入ろうとする試みはすべて徒労に終わります

🟥以降秘匿(PC2のみ)



家具一つない、真っ黒な壁、天井、床の部屋。
その空間は絶え間なく威圧感を醸し出し、異様なほどに漆黒が全てを支配している。
どこを見ても逃れられない黒色は、まるで夜がこぼれ落ちたような不気味さで、訪れる者の心理を深く押しつぶす。
部屋の空気は重く、息苦しさを増すばかりで、その静寂は耳をつんざく。

この一面の黒に囲まれた中心に、真っ赤なマネキンが静かに佇んでいる。
そのマネキンは人間の形をしているが、一切の表情がなく、ただ赤く光沢のある表面が、部屋の唯一の光源から微かに反射する。
その光沢は、マネキンがただの人形ではないような生命の気配をほのめかし、生々しさを一層強調する。

マネキンの姿勢は自然でありながら、何かを待ち構えているかのようにも見える。
その位置は部屋のどこから見ても完全に中心にあり、誰もがその存在を無視できないよう強制される。
部屋に響くのは自分の心臓の鼓動だけで、それが異常なほど鮮明に聞こえる。

🔽マネキンを観察する場合
スレンダーなモデル体型の女性の全身マネキンだ。
表面はすべて赤に覆われ、真っ黒な部屋の中に異様に浮いている。
🔽赤のマネキンに黒い衣装を4点着せた場合
赤の神の逆鱗
🔽赤のマネキンに赤い衣装を4点着せた場合
赤の神の降臨


4-6. ⑥の部屋


⑥の部屋。
ドアには手斧がかけられており、その上には「化け物を殲滅せよ」との血文字が書かれている。

天井、床、壁が混じり合う赤と黒のグラデーションで彩られた部屋に足を踏み入れると、異世界の門をくぐったような感覚に襲われる。
赤黒い配色は、まるで古の呪文が刻まれた祭壇のようで、部屋全体に漂う陰鬱な雰囲気を強調している。

部屋の中には、空想の産物としか思えない数々の化け物の蝋人形がずらりと並べられている。
それぞれの蝋人形は、人間の知覚を超えた異形の姿をしており、触手や鋭い牙、異常に歪んだ体、複数の目を持つものまで、一つ一つが独自の恐怖を内包している。

これらの化け物たちは、極めて精緻に作られており、その表面の質感や色彩が非常にリアルで生々しい。
肌は湿り気を帯びているように見え、一部では膿や血が滲んでいるかのような演出が施されている。
触手や爪の一部は、まるで今にも動き出しそうなほど自然に曲がっており、空間に静かながら不穏な動きをもたらしている。

部屋の照明は巧みに設計されており、蝋人形たちの最も恐ろしい特徴を際立たせている。
柔らかく暗い光が彼らの体を不規則に照らし出し、その影が壁に不気味な形で映し出される。
影は、動物や人間のものとは思えない異様な形をしており、その動きがあたかも生きているかのように錯覚させる。

🎲判定:目星 or アイデア ※PC2のみ、秘匿、時間経過なし
判定成功!
君は発見する。あの人形、あれは間違いなく以前の君の姿だ。
人とかけ離れた異形の化け物、あれこそ君本来の姿だ。
忘れかけていた事実が君に事実を突きつける、お前は本来人の世界にとっての異物、化け物なのだと。

 SANc:1/1d3 
判定失敗...
何かを見つけそうだったが君は本能的にソレを避けた。

🎲判定:近接格闘 ※すべての蝋人形を壊そうとする場合
判定成功!
手にした手斧を化け物の蝋人形たちに向けて振り下ろす。
赤と黒で彩られた部屋の中、異形の姿をした蝋人形が列を並べずらりと並んでいる。
その一つ一つに斧を振り下ろすたびに、蝋と塗料のかけらが飛び散り、奇怪な形をした断片が床に散乱する。
最初の一撃を加えた瞬間、部屋に響くものもないはずの静寂の中で、ひっそりと、しかしながらはっきりと悲鳴や怨嗟の声が聞こえてきた気がする。
その声は人間のものとは思えず、むしろ何か別の存在から発せられているようだ。それは虚空から湧き出るかのように、突然、不意に君の耳に届く。

次に別の蝋人形に斧を振り下ろすと、またしてもその奇妙な声が聞こえる。
今度はもっとはっきりと、そして痛みや苦悩を含んだ叫び声が部屋に響き渡る。
声は人形が持つ怨念のようで、壊されるたびに彼らの内部から解放される悲鳴のように感じられる。
声は次第に多くの化け物の蝋人形が破壊されるにつれて強まり、部屋中にその怨嗟が満ちていく。
その叫び声は次第に重なり合い、一つの大きな悲鳴となって空間を満たす。
それはまるで、これらの化け物たちが最後の抵抗を試みているかのように、耳障りでありながらも何とも言えない哀れみを感じさせる。

なんとも言えない感触を残し、君たちはすべての蝋人形を壊すことができた。

 SANc:0/1 
判定失敗...
悪戦苦闘しながらなんとかすべての蝋人形を壊し切ることができた。
(※判定の10分に加えてもう10分経過)
※6版の場合は、手斧(初期値20%)+30%(動かないボーナス)で振ってください

🔽すべての蝋人形を壊した後、部屋から出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、赤いドレスがかかっている。
素人目にもわかるほど質が良い一品だ。手に持つのがはばかられるほどの高貴さを感じる。

→入手:赤いドレス

※観察するのであれば、細身の女性用のサイズであることがわかる。


4-7. ⑦の部屋


⑦の部屋。
ドアには手斧がかけられており、その上には「異物を排除せよ」との血文字が書かれている。

天井、床、壁が赤と黒で深く染められた部屋は、一歩足を踏み入れただけで息苦しいほどの圧迫感を放っている。
この部屋に並べられた蝋人形たちは、老若男女さまざまながら、一様に怨嗟の表情を浮かべている。
それぞれの顔には、深い苦悩や怒り、恐怖が刻まれており、その表情はあまりにもリアルで生々しい。

蝋人形たちの皮膚は細部にわたって精緻に作られており、まるで血の通った肉体のように思えるほど。
表面は苦痛に歪む筋肉と、感情の波に引き裂かれたような皺が細かく再現されている。
ある蝋人形は老婦人で、絶望に満ちた目で虚空を見つめ、その口元は開かれたまま無声の叫びをあげているように見える。
また、若い男性の蝋人形は怒りに震える表情で、その手は空中に拳を握りしめている。

老若男女の怨嗟の表情をした蝋人形たちが並ぶ中、目に飛び込んできたのは、信じがたい光景だった。
目の前には、PC2、君に瓜二つの蝋人形が静かに立っている。
その蝋人形は自分の服装、髪型、さらには最も微細な身体的特徴まで完璧に模倣しており、一瞬、鏡を見ているような錯覚に陥る。
しかし、その瞳は空虚で、何かを訴えかけるような深い悲しみと恐怖が込められている。

🎲判定:聞き耳
判定成功!
君は確かに耳にする、PC2にそっくりな蝋人形から発せられるかすかな声を。
「かえ…せ…。かえせ…。かえせ…!」
物言わぬはずの蝋人形から、確かに怨嗟の声を聞いた君はSANチェック。

 SANc:0/1d2 
判定失敗...
何かが聞こえた気がする、衣擦れの音だろうか。

🎲判定:アイデア ※PC2のみ、秘匿、時間経過なし
判定成功!
君にはわかる。その声は君の身体の本来の持ち主のものだ。
彼は今なお意識だけこの館にとらわれ、幸せを謳歌する君に対して怨嗟の声を上げているのだ。

 SANc:1/1d4 
判定失敗...
不気味な人形だなと思った。

🔽PC2にそっくりなマネキンを破壊する場合
手に汗を握りしめながら、躊躇いを振り切り蝋人形に向かって斧を振り下ろす。
斧が蝋人形の体を打ち砕く瞬間、突然、空気が凍りつくような怨嗟の声が部屋中に響き渡る。
「ゆるさない…ゆるさない…お前さえ…お前さえ…」
その声は人間のものとは思えない、苦痛と怒りに満ちた、ゆがんだ叫び声で、壁や床から反響して、あたかも多くの声が一斉に叫んでいるかのようだ。

蝋人形の体が斧で次々と壊されるたびに、その怨嗟の声はさらに大きく、耳障りなものとなる。
部屋全体がその恐ろしい叫びに包まれ、まるで蝋人形が持つ怨念が解放されたかのよう。
その声には明確な言葉はないものの、その感情の強さが直接心に響き、深い恐怖を植え付ける。

斧を振るう手が止まり、息を呑む。蝋人形の顔が最後に砕かれると、怨嗟の声も一瞬で静まり返る。
部屋には再び沈黙が訪れ、ただ自分の荒い呼吸と心臓の鼓動だけが聞こえる。

 SANc:0/1d2 
🔽PC2にそっくりな蝋人形を壊した後、部屋から出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、赤いティアラがかかっている。
それは素人目にもわかるほど高貴で高級そうな、手に取るのもはばかられる一品だ。

→入手:赤いティアラ

※観察するのであれば、細身の女性用のサイズであることがわかる


4-8. ⑧の部屋


⑧の部屋。
ドアには手斧がかけられており、その上には「偽物をすべて排除せよ」と血文字で書かれている。

🟥以降PC2のみ



壁は暗い赤で塗られ、黒い縁取りがその鋭角的なラインを強調し、床は深い漆黒が広がっている。
天井からは赤い光が微かに差し込み、全体に不気味な照明を投げかける。

目の前には驚愕の光景が広がっていた。 そこには、恋人と同じ容姿を持つ人形が数十体、整然と並んでいる。
それぞれの人形は、恋人の特徴を忠実に再現しており、髪の色、目の形、さらには着ている服のスタイルまで、恋人がその場にいるかのような錯覚を覚えさせる。
しかしその表情はどこか空虚で、静かな叫びを内に秘めたような凍りつくような表情をしている。

振り返ると、恋人の姿はどこにも見当たらない。
あたりを見回すと、人形たちが静かにこちらを見つめている中、どの人形も恋人かもしれないという恐怖が心を覆う。
恋人がいつの間にか人形の一体として紛れ込んでしまったのか、それとも最初から人形の一部だったのか、区別がつかない。

部屋は静かで、ただ人形たちの存在が重く圧迫感を増すばかり。
一歩一歩人形たちの間を歩くごとに、どれが本物の恋人なのか、もはや見分けがつかない。
それぞれの人形が一瞬、微動だにするように見え、背後からは誰かが君を呼ぶ声が聞こえてくるような気がする。
しかし振り返るたびに、声は消え、残るのは無表情の人形たちの冷たい視線だけだ。

🟥以降PC1のみ(秘匿)



君は自分の身の置かれた状況を理解しようと必死だった。
いつの間にか、自分そっくりの蝋人形たちに紛れ、動けない、声も出せない状態で一体の蝋人形として展示されている。
肌の感覚は鈍く、目だけが動かせるが、まるで体が固まってしまったかのように動けない。
頭の中で叫んでも、声は外に出ず、沈黙が全てを覆っている。

部屋は赤と黒の陰鬱な色彩で満たされており、照明は暗く、全体に静謐な空気が漂っている。
君の周りには、様々な表情をした他の蝋人形たちが静かに立っており、彼らの中に紛れて自分を見つけ出すのはほぼ不可能だ。

その時、恋人が部屋に入ってきた。彼はゆっくりと蝋人形たちを見て回っているが、一体一体がよく似ており、君を見つけることができずにいる。
恋人の表情は焦りと不安で曇っており、君の名を呼びながら、一体ずつ丹念に観察している。
彼の目が何度も君の蝋人形に触れるが、君と認識することはない。

君は心の中で叫ぶ。「自分はここだ!ここにいる!」
しかし、その訴えは声にならず、ただ無力な思いが心を満たすだけだ。恋人は君を認識できずに、次の蝋人形へと視線を移していく。
その瞬間、君の心は絶望で押し潰されそうになり、同時に恐怖が増す。
自分が永遠にここに固定され、二度と動けないのではないかという恐怖だ。

恋人が部屋の奥に進んでいくにつれ、君はますます孤独と絶望を感じる。
彼が君を見つけ出せないまま、部屋から出て行ってしまうのではないかという不安が募る。
君の心の叫びは、この蝋人形の館の静寂の中で、ただ響き渡るだけで誰にも届かない。
自分の存在が、ただの展示品として永遠にここに留まるのかと思うと、言葉にできないほどの恐怖が君を包み込むのだった。

🟡KP向け:失敗が続く場合
失敗回数に応じて補正を与えるなどしても大丈夫です。
🎲判定:目星/2 or アイデア/2
判定成功!
君はごくわずかな差を信じ、本物の恋人らしき人形を発見する。
しかし、いくら確認をとっても返事はない。本物であるという各賞はあくまで自分の勘でしか無い。
そんな、不確かな状態で本当に人形を壊してしまってもよいのだろうか。
もし、勘が外れでもしたら…君の頬を冷たい汗が伝う。

 SANc:1/1d4 
判定失敗...
精巧な人形はまるで本物のようで、全く区別がつかない。
この状態で人形を壊してしまえば一体どうなってしまうのだろうか。君の心に焦りが募る。

 SANc:0/1 

🔽偽物をすべて排除して出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、赤いネックレスがかかっている。
それは素人目にもわかるほど高貴で高級そうな、手に取るのもはばかられる一品だ。

→入手:赤いネックレス

※観察するのであれば、細身の女性用のサイズであることがわかる


4-9. ⑨の部屋


⑨の部屋。 ドアには「同時に引け」と血文字で書かれている。

蝋人形の館を進むうちに、目の前に現れたのは一見して異質な一室だった。
ドアを開けると、そこに広がっていたのは、赤と黒が入り乱れる溶岩が壁に流れるような灼熱の部屋。
壁からはまるで地獄の河が流れるかのように、赤黒い溶岩がゆっくりと流れ落ちている。
その様子は、燃え盛る火と硫黄の匂いが漂うかのように、視覚と嗅覚に訴えかける。

部屋の内部は異様に熱く、空気は煙たい熱気で充満している。
足元からは微かな熱が感じられ、床がいつ溶け出してもおかしくないほどだ。
壁に流れる溶岩の模様は、時折急に動きを変えるかのように見え、不気味で予測不能な動きをする。
それは部屋の全てが生きているかのような錯覚を覚えさせ、恐怖を増幅させる。

この部屋に一歩足を踏み入れた者は、途端に焦熱と恐怖に包まれる。
赤と黒の溶岩が流れる壁からは、時折、不定形の影が動くような錯視を生じ、それが何か未知の生物が潜んでいるかのような恐怖をかき立てる。

そんな部屋の奥を見やれば、部屋に不釣り合いな大きなレバーが設置されている。

🔽⑬の部屋と同時にレバーを引く場合
同時に1d3を振り、数字が一致すれば同時にレバーを引くことができます。
挑戦1回につき10分経過したとみなします。
(暑いのでそれだけ体が溶けるのが加速する、かつ休憩を要するため)
🔽同時にレバーを引き部屋から出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、赤いハイヒールがかかっている。
素人目にもわかるほど質が良い一品だ。手に持つのがはばかられるほどの高貴さを感じる

→入手:赤いハイヒール

※観察するのであれば、細身の女性用のサイズであることがわかる。


4-10. ⑩の部屋


⑩の部屋。
ドアには手斧がかけられており、その上には「異物を排除せよ」との血文字が書かれている。

深い赤と漆黒が交錯する部屋の中、一列に並んだ蝋人形たちは異様な美しさを放っている。 天井、床、壁の赤黒い配色が部屋全体に重厚な雰囲気を与える中、美女の蝋人形たちはその光景に一層の艶やかさを添えている。
彼女たちの肌は不自然なほど完璧に整えられ、瞳は宝石のように輝き、唇は鮮やかな赤で彩られている。
衣装もまた、豪華な素材と鮮やかな色彩で飾られ、見る者を魅了する。

しかし、その美しい蝋人形たちの中に、一体だけ異質な存在が混じっている。
醜い女性の蝋人形は、他の人形とは一線を画す姿をしており、その表情は歪んでいて不快感を覚える。
肌の質感は荒く、色も不均一で、その目は沈んでいて、まるで深い悲しみに満ちているかのようだ。
彼女の唇は薄く、苦痛を訴えるような曲がり方をしている。

この醜い蝋人形は、他の美しい蝋人形たちとは対照的に、部屋の異様な雰囲気をさらに強調している。
彼女が放つ不気味なオーラは、部屋の中で浮かび上がり、訪れる者に恐怖を感じさせる。
その存在は、美しいものと醜いものの間の緊張を生み出し、訪れた者の心に不安と緊張を植え付ける。

照明は巧みに配置されており、特に醜い蝋人形の特徴を際立たせている。
影が彼女の顔に落ちることで、その表情がさらに歪んで見え、彼女が持つ内なる苦悩が強調される。
美女たちとは対照的に、彼女だけが持つ哀れみと恐怖が、部屋の美学に一種の哲学的な深みを加えている。
美と醜さ、喜びと苦痛が混在するこの部屋は、ただ単に蝋人形を展示しているだけでなく、人間の感情の幅広さと複雑さを表現しているかのようだ。

🌐秘匿情報(PC1)
君はハッとする。この醜い女性は本来の自分、その姿だ。

🎲判定:聞き耳
判定成功!
君は確かに耳にする、美しい蝋人形に混じったたった一体の醜い蝋人形から発せられるかすかな声を。
「憎…い…憎い…憎い…」
物言わぬはずの蝋人形から、確かに怨嗟の声を聞いた君はSANチェック。

 SANc:0/1d2 
判定失敗...
何かが聞こえた気がする、衣擦れの音だろうか。

🎲判定:アイデア ※PC1のみ、秘匿、時間経過なし
判定成功!
君にはわかる。その声は捨てられた君本来の身体のものだ。
彼女は今なおこの館にとらわれ、自分を捨てて幸せを謳歌する君に対して怨嗟の声を上げているのだ。

 SANc:1/1d4 
判定失敗...
色々と思うところはあるが、君はソレを飲み込み知らぬふりをした。

🔽かつてのPC1の姿をしたマネキンを破壊する場合
手にした手斧をその蝋人形に向けて振り下ろす。 斧が蝋人形の体に突き刺さる瞬間、部屋に充満していた沈黙が一瞬で破られ、低く、苦痛に満ちた怨嗟の声が響き渡る。 声は、まるでその蝋人形が持つ魂が解放されるかのように、深く、重く、痛みを帯びていた。 その声は、蝋人形が壊れるたびに強くなり、その悲鳴は部屋の壁を震わせるほどだった。 斧を振り下ろす手は止まらず、しかし、その度に聞こえる声に心が痛む。 それはかつての自分の苦悩と直面しているようで、その声には自己嫌悪と解放の感情が混在している。 蝋人形が完全に砕け散り、最後の一撃を下したとき、怨嗟の声は最高潮に達し、その後、突如として静寂が部屋を包む。空気は重く、君は息を呑む。 手斧を床に落とし、その場に跪く。かつての自分との対峙が終わったことに安堵と同時に、深い孤独を感じる。 怨嗟の声は消えても、その響きはまだ耳に残り、壊した蝋人形の最後の表情が網膜に焼き付いて離れない。
 SANc:0/1d2 
🔽かつてのPC1の姿をしたマネキンを壊した後、部屋から出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、黒いヴェールがかかっている。
素人目にもわかるほど質が良い一品だ。手に持つのがはばかられるほどの高貴さを感じる

→入手:黒いヴェール

※観察するのであれば、常人より大きなサイズであることがわかる。


4-12. ⑪の部屋


⑪の部屋。
ドアには手斧がかけられており、その上には「すべて排除せよ」と血文字で書かれている。

赤と黒の壁、天井、床に囲まれた部屋は、まるで漆黒の深淵に赤い血が流れ込んでいるかのような、禍々しい雰囲気を放っている。
この部屋に一歩踏み入れると、各地の民族衣装をまとった蝋人形たちが無秩序に並んでいるのが目に入る。
老若男女様々なこれらの蝋人形は、世界各国から集められたかのように多様で、その統一感のなさがかえって場の不気味さを増す。

各蝋人形の表情はリアルで生々しく、一部は喜びを表しているように見えるが、多くは苦悩や恐怖、悲哀を浮かべている。
その眼差しは訪れる者を直接見つめ、静かながら強いプレッシャーを放つ。
蝋人形たちはランダムに配置されており、その無秩序な配置が部屋の異様な雰囲気をさらに強調する。
ある蝋人形は壁際に寄りかかりながら床に座っており、また別の蝋人形はグループを成して密談しているかのように立っている。
その配置のランダムさが、まるで彼らが生きているかのように見せ、部屋に入る者には彼らが動き出すのではないかという錯覚すら与えてくる。

この蝋人形たちの間を歩くと、時折、背後から囁くような声が聞こえることがあり、それが風の通り道によるものなのか、はたまた他の原因によるものなのか定かではない。
この部屋はその異様な雰囲気と蝋人形たちの表情、配置によって、深い不安と恐怖を訪れる者に植え付け、忘れがたい印象を残す。

🎲判定:アイデア ※PC1のみ、秘匿、時間経過なし
判定成功!
君は悟る。これらの人形はかの神に逆らった者たちの末路だ。
契約を遵守しなかった者たちは人形としてここで永劫の苦しみを味わっているのだ。
彼らの末路と自分の未来を重ねて想像してしまった君はSANチェック。

 SANc:1/1d4 
判定失敗...
不気味な人形たちだと思った。

🎲判定:近接格闘 ※すべての蝋人形を壊そうとする場合
判定成功!
君は一つ一つの蝋人形に向かって力強く斧を振り下ろす。
蝋製の人形たちは、斧の一撃で軋む音を立てながらバラバラに砕け散った。

最初の一撃を下したとき、空気が一瞬、震えたように感じた。
それは静かな怨嗟の声のようで、ほの暗い部屋の隅々まで響き渡った。
その声は、人形が持っていたかつての「生」のエコーのように、恐ろしくも哀れな響きを帯びていた。
次々と蝋人形を破壊するたびに、その声は増幅され、部屋に充満する怨嗟の声は集団の嘆きへと変わった。
蝋の破片が床に散乱し、破壊された人形の表情は悲痛で歪んでいた。

声はほとんど人間のものとは思えず、むしろ何か別の存在から発せられているようだった。
君の心と体は、その声によって重く押し下げられる。
しかし、斧を振り下ろすごとに、蝋人形から解放される魂が自分に向かってくるかのように感じられた。

その部屋での行為が終わった後、君はただ静かに立ち尽くしていた。
怨嗟の声は静まり、残されたのは壊れた蝋人形と無数の破片、そして心に残る深い罪悪感だった。

なんとも言えない感触を残し、君たちはすべての蝋人形を壊すことができた。

 SANc:0/1 
判定失敗...
悪戦苦闘しながらなんとかすべての蝋人形を壊し切ることができた。
(※判定の10分に加えてもう10分経過)
※6版の場合は、手斧(初期値20%)+30%(動かないボーナス)で振ってください

🔽すべての蝋人形を壊した後、部屋から出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、黒いドレスがかかっている。
素人目にもわかるほど質が良い一品だ。手に持つのがはばかられるほどの高貴さを感じる。

→入手:黒いドレス

※観察するのであれば、常人より大きなサイズであることがわかる。


4-12. ⑫の部屋


⑫の部屋。
ドアには手斧がかけられており、その上には「偽物をすべて排除せよ」と血文字で書かれている。

🟥以降PC1のみ



壁は暗い赤で塗られ、黒い縁取りがその鋭角的なラインを強調し、床は深い漆黒が広がっている。
天井からは赤い光が微かに差し込み、全体に不気味な照明を投げかける。

目の前には驚愕の光景が広がっていた。 そこには、恋人と同じ容姿を持つ人形が数十体、整然と並んでいる。
それぞれの人形は、恋人の特徴を忠実に再現しており、髪の色、目の形、さらには着ている服のスタイルまで、恋人がその場にいるかのような錯覚を覚えさせる。
しかしその表情はどこか空虚で、静かな叫びを内に秘めたような凍りつくような表情をしている。

振り返ると、恋人の姿はどこにも見当たらない。
あたりを見回すと、人形たちが静かにこちらを見つめている中、どの人形も恋人かもしれないという恐怖が心を覆う。
恋人がいつの間にか人形の一体として紛れ込んでしまったのか、それとも最初から人形の一部だったのか、区別がつかない。

部屋は静かで、ただ人形たちの存在が重く圧迫感を増すばかり。
一歩一歩人形たちの間を歩くごとに、どれが本物の恋人なのか、もはや見分けがつかない。
それぞれの人形が一瞬、微動だにするように見え、背後からは誰かが君を呼ぶ声が聞こえてくるような気がする。
しかし振り返るたびに、声は消え、残るのは無表情の人形たちの冷たい視線だけだ。

🟥以降PC2のみ(秘匿)



君は自分の身の置かれた状況を理解しようと必死だった。
いつの間にか、自分そっくりの蝋人形たちに紛れ、動けない、声も出せない状態で一体の蝋人形として展示されている。
肌の感覚は鈍く、目だけが動かせるが、まるで体が固まってしまったかのように動けない。
頭の中で叫んでも、声は外に出ず、沈黙が全てを覆っている。

部屋は赤と黒の陰鬱な色彩で満たされており、照明は暗く、全体に静謐な空気が漂っている。
君の周りには、様々な表情をした他の蝋人形たちが静かに立っており、彼らの中に紛れて自分を見つけ出すのはほぼ不可能だ。

その時、恋人が部屋に入ってきた。彼はゆっくりと蝋人形たちを見て回っているが、一体一体がよく似ており、君を見つけることができずにいる。
恋人の表情は焦りと不安で曇っており、君の名を呼びながら、一体ずつ丹念に観察している。
彼の目が何度も君の蝋人形に触れるが、君と認識することはない。

君は心の中で叫ぶ。「自分はここだ!ここにいる!」
しかし、その訴えは声にならず、ただ無力な思いが心を満たすだけだ。恋人は君を認識できずに、次の蝋人形へと視線を移していく。
その瞬間、君の心は絶望で押し潰されそうになり、同時に恐怖が増す。
自分が永遠にここに固定され、二度と動けないのではないかという恐怖だ。

恋人が部屋の奥に進んでいくにつれ、君はますます孤独と絶望を感じる。
彼が君を見つけ出せないまま、部屋から出て行ってしまうのではないかという不安が募る。
君の心の叫びは、この蝋人形の館の静寂の中で、ただ響き渡るだけで誰にも届かない。
自分の存在が、ただの展示品として永遠にここに留まるのかと思うと、言葉にできないほどの恐怖が君を包み込むのだった。

🟡KP向け:失敗が続く場合
失敗回数に応じて補正を与えるなどしても大丈夫です。
🎲判定:目星/2 or アイデア/2
判定成功!
君はごくわずかな差を信じ、本物の恋人らしき人形を発見する。
しかし、いくら確認をとっても返事はない。本物であるという各賞はあくまで自分の勘でしか無い。
そんな、不確かな状態で本当に人形を壊してしまってもよいのだろうか。
もし、感が外れでもしたら…君の頬を冷たい汗が伝う。

 SANc:1/1d4 
判定失敗...
精巧な人形はまるで本物のようで、全く区別がつかない。
この状態で人形を壊してしまえば一体どうなってしまうのだろうか。君の心に焦りが募る。

 SANc:0/1 

🔽偽物をすべて排除して出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、黒いネックレスがかかっている。
それは素人目にもわかるほど高貴で高級そうな、手に取るのもはばかられる一品だ。

→入手:黒いネックレス

※観察するのであれば、常人より大きなサイズであることがわかる。


4-13. ⑬の部屋


⑬の部屋。 ドアには「同時に引け」と血文字で書かれている。

蝋人形の館を進むうちに、目の前に現れたのは一見して異質な一室だった。
ドアを開けると、そこに広がっていたのは、赤と黒が入り乱れる溶岩が壁に流れるような灼熱の部屋。
壁からはまるで地獄の河が流れるかのように、赤黒い溶岩がゆっくりと流れ落ちている。
その様子は、燃え盛る火と硫黄の匂いが漂うかのように、視覚と嗅覚に訴えかける。

部屋の内部は異様に熱く、空気は煙たい熱気で充満している。
足元からは微かな熱が感じられ、床がいつ溶け出してもおかしくないほどだ。
壁に流れる溶岩の模様は、時折急に動きを変えるかのように見え、不気味で予測不能な動きをする。
それは部屋の全てが生きているかのような錯覚を覚えさせ、恐怖を増幅させる。

この部屋に一歩足を踏み入れた者は、途端に焦熱と恐怖に包まれる。
赤と黒の溶岩が流れる壁からは、時折、不定形の影が動くような錯視を生じ、それが何か未知の生物が潜んでいるかのような恐怖をかき立てる。

そんな部屋の奥を見やれば、部屋に不釣り合いな大きなレバーが設置されている。

🔽⑨の部屋と同時にレバーを引く場合
同時に1d3を振り、数字が一致すれば同時にレバーを引くことができます。
挑戦1回につき10分経過したとみなします。
(暑いのでそれだけ体が溶けるのが加速する、かつ休憩を要するため)
🔽同時にレバーを引き部屋から出ようとする場合
部屋から出ようとすると、いつの間にか出入り口のドアに、黒いハイヒールがかかっている。
素人目にもわかるほど質が良い一品だ。手に持つのがはばかられるほどの高貴さを感じる。

→入手:黒いハイヒール

※観察するのであれば、常人より大きなサイズであることがわかる。