アンケート1
2-1. 分厚い扉
そこには重そうなドアと、左右に青色のボタンと、赤色のボタンのついた台がある。
台の上には50cm四方ほどの大きなガラスケースが置かれているが、中身は真っ黒でうかがい知ることはできない。
そんなふうにドアを観察していると、いつの間にか案内員がそばまでやってきて君たちに告げる。

「「アンケートを開始されますか?」」
>PC達の回答

「「かしこまりました、ではアンケート開始に当たりまずこちらをプレゼントいたします」」
30cmほどの大きさがあり、なかなか凝った一品のように思える。
参加者1=KPCには青のぬいぐるみ、参加者2=PCには赤のぬいぐるみが手渡される。

「「アンケートは選択式アンケート、続いて口頭での自由アンケートの順になります」」
「「こちら、回答方法を説明させていただきます」」
「「回答は参加者1番の方、2番の方と順に行っていただきます」」
2-2. 選択式アンケート1(KPC)

「「チュートリアルとしてまず1問目と参りましょう」」
「「一番の方(KPC)、点灯中の青いボタンを押してください」」
「「ボタンを押下頂きますと、回答に移ります」」
そう言われKPCがボタンを押すと、黒かったガラスが透明になり、中身が見えるようになる。
中身はジオラマ?のようだ。
トロッコとレールのようなものが有り、トロッコがゆっくりと進んでいる。
レールの先は2つに分岐しており、それぞれのレールの先にあなた方の手元にあるぬいぐるみの更に小さなもの(5cmほど)が置かれている。
トロッコはそのままだと直進して左側に進みそうだが、切替器のようなものがついており、右側にも進めるようになっている。

「「お手元のデバイスをご確認ください」」

チュートリアル
◀青い案内員ぬいぐるみ
▶赤い案内員ぬいぐるみ

「「このように選択肢が出され、どちらかを選んでいただきます」」
「「下側のボタンがミニチュアのレールと連動しており、トロッコを左右どちらに進ませるかを選ぶことができます」」
「「回答は、ボタン押下から10分以内に行っていただきます」」

「「10分経過いたしますと自動的に左側の選択肢が選ばれますのでご注意ください」」
「「待ち時間が必要ない、という際は中央のENTERボタンを押してください。その際は即座にトロッコが急加速いたします」」
「「ENTERボタンの操作は時間内であっても取り消すことができませんので、ご注意ください」」
>KPCとの会話RP
判定成功!
いわゆる「トロッコ問題」というやつだ。
トロッコ問題とは?
「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という形で功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題・課題だ。
線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。
この時たまたまアナタは線路の分岐器のすぐ側におり、トロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。
しかしその別路線でも1人で作業している人物がおり、進路を切り替えると5人の代わりにもう1人がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。
アナタはトロッコを別路線に切り替えるべきだろうか?それともそのまま放置すべきだろうかという、所謂極端な2択を強いるタイプの思考実験だ。
つまり、単純化すれば「5人を助けるために他の1人を殺してもよいか」という問題であり、功利主義に基づくなら1人を犠牲にして5人を助けるべきだ。
しかし、義務論に従えば誰かを他の目的のためだけに利用すべきではなく、何もするべきではない。
判定失敗...
🔽時間切れ or 回答 した場合
トロッコはそのまま選択した進路を取り、小さなぬいぐるみをメリメリと轢き潰す。
可愛らしかったぬいぐるみは、車輪に轢かれた部分から裂けてしまい、そこから無惨にも綿がはみ出ている。
そして奇妙なことに、時を同じくして手元にあった同じ色の人形も、轢かれたミニチュアと同時に同じように破損していく。

「「ミニチュアと実物は照応し、ミニチュア上のものが壊れれば外部の対応するものも破損等するような作りになっております」」
「「そちらの破損した人形に関しては回収いたしましょう」」

「「選択式アンケートの回答の流れはこの様になっております。ご理解いただけましたでしょうか?」」
2-3. 選択式アンケート1(PC)
青いボタンのアンケートに回答したからだろうか、いつの間にか赤いボタンが点灯している。

「「準備が整いましたら、参加者2番の方、そちらのボタンの押下をお願い致します」」
ボタンを押すと、ガラスケースが透明になり、中身が見えるようになる。
と、同時に手元のデバイスに以下のようなことが表示される。
ミニチュアは先程と同じ構図だ。
ただし、その先にあるのはぬいぐるみではなく、より精巧な案内員の模型のようだ。
>他に情報はないのか

「「更に情報が必要な際は、デバイスの質問文をタッチしてみてください」」
「「アンケートの公平性を期すため、それ以上の情報をお伝えすることはできません、ご了承ください」」
チュートリアル
◀青い案内員人形:当展示会の案内員、流暢に動き喋るが所詮意思なき人形
▶赤い案内員人形:当展示会の案内員、流暢に動き喋るが所詮意思なき人形

それぞれのパーツに以下の内容のクリックアクションを設定してください。
・問文:アンケート全文を表示(上記緑色枠内の文)
・▶️ :「右の人形を壊す」
・◀️ :「左の人形を壊す」
・▲ :「選択中の人形を壊す」
>KPCとの会話/相談RP
🔽回答ボタンを始めて押した場合
ボタンを押すと、君の口から勝手に言葉が発せられる。
悪意のこもった声だ。出した覚えのないその声にはっとなるが、それ以外に特に異変はない。
SANc:なし ※自分の口が勝手に動き本来はSANチェックだが、現在は免除
🔽時間切れ or 回答 した場合
トロッコはそのまま選択した進路を取り、案内員の模型を大きな音を立て轢き潰す。
足元からレールに巻き込まれ、胴、頭と順にその体を両断していく。
引かれた部分から電子部品が露出し、スパークを撒き散らしながらパーツが当たりに散らばっていく。
ところどころなにかの燃料だろうか、油性の強そうな赤黒い液体のようなものも撒き散らしている。
それと同時に、あなた方の横にたっていた案内員も大きな音を立て、足元から徐々に部品が破損していく。
足、胴、と順々に破損し、その場に崩れる案内員、しかし当人は何事もないかのような顔をしており、君たちは否が応でも彼女が作りものであったことを自覚せざるを負えない。
そして、瞬く間に彼女は縦に轢断(れきだん)され、その場にはところどころ人型を模していたという事がわかるだけの残骸が残る。
君は頭では彼女たちが人間ではないと想像はしていた、しかしあまりに流暢に喋る彼女らは人形とは思えず、今こうして残骸となった彼女を見ても目の前の光景を信じることができない。
そして彼女を壊したのは君の選択によるものだ、大元の責任はこんな選択肢を用意したものにある。
そんなことはわかっているが、一般的な良識を持つ君は、どうしても自分にも責任の一端があるのではないか?と言った思考を拭い去ることができない。
このような衝撃的な光景を目撃し、その遠因が自分にあるのではないかと思い至ってしまったアナタは…特に何も有りません。
戸惑う気持ちは大いにありますが、思考はそれ以上狂うこと無く、心のうちは正常といえる状態の範囲を保っています。
SANc:なし ※人と見まごうものを壊す責任の一端を負い本来はSANチェックだが、現在は免除
2-4. 口頭アンケート(共通)
完全な嫌がらせです。
アンケートで負った傷を抉る内容のアンケートが今後続きます。
アンケート1に関しては、最終的に自分が複製体であると知ったときのための前フリの質問になっています。

「選択式アンケートのご回答ありがとうございます」
「では、つづいて口頭アンケートの1問目となります。」

「なるほど、かしこまりました」
「ご回答、ありがとうございます」
案内員がそう言うとドアが開く。

「では引き続きこちらの順路に従い、選択式と口頭それぞれあと4問ずつアンケートにご回答ください」
「それでは、どうぞごゆるりと」
そう言って送り出された先はなにもない通路のようだ。
通路を進むとその先には先程通ったのと同様のドアが有り、君たちが近づくと自動で開く。
そして、そのドアの先にはこのような部屋が広がっていた。