4周目ループ

🟡KP向け:ループ上の注意


・ループのたびにHPとMPは全回復します(SAN値はそのままです)
・ループのたびにSANチェックが発生しますが、これに対し慣れは適用されません
・SAN値上限の更新(不定チェック用)を行うには、ループを一度行う必要があります

4-1. ループ開始


真っ黒の意識の中、何やら音楽が聞こえてくる。
この音楽は聞き覚えがある、何度も聞いた天神様ゆかりのあの音楽だ。
音楽が聞こえる、加えて人々の喧騒が聞こえる。
やがて目が慣れ、目を開くと、そこには再び昼下がりの太宰府駅の光景が。
手の甲に熱さを感じて見やれば、そこには正の字から三画引いた文字が浮かびそして消えていった。

眼の前を見れば巫女服の女性、文子が懐からスマホを取り出したところだった。
文子は画面を確認すると眉をしかめ、再びスマホを懐にしまう。

「すまん、出鼻がくじかれたな」
「早速だがまずは参道を案内しよう」
「この辺は最近は色んな店がでてて面白いぞ?」
「スイーツとかは歴史的には浅いかもだけど気にすんな!」


眼の前に居るのは先程自分たち同様黒い風にのまれたはずの文子。
たしかにあの時自分たちは…その非常識な出来事に君の常識が更に崩れる音がする。

 SANc:1/1D4 


「どうした?ボケーっとして?」
「昨日夜遊びしすぎてお疲れか?」

押し黙る君たちを心配し、文子が声をかけてくる。

🔽ループしてきたことを伝える場合


「ループ…ループか…」
「道真公のお膝元だしそういうこともあるか…?」
「まぁ冗談じゃないってのはわかるよ、だから信じる」

そう言って文子はあっさりと君たちの言う事を信じる。

🔽起きたこと(雷)を伝える場合


「雷雲と雷か、まるで伝説に聞く天神様だな」
「しかし何だって京都じゃなくて太宰府にそんなものが?」

これには文子も頭にハテナが浮かぶようでまるで心当たりがなさそうだ。

🔽恵子が乗っ取られ文子を刺したことを伝える場合


「藤原時平?確かにあいつは藤原姓だが…」
「…しかしあいつが私を刺すとするなら、そんくらいぶっ飛んでたほうが逆に信じられるな」

そう文子は独り言ち、腑に落ちた様子で踏むと考え込む。

🔽恵子を乗っ取った藤原時平を倒したことを伝える場合


「つまり恵子は無事なんだな…?」
「いや、時間が戻ったってことはまた同じ目に…」
「ううん、それについては後で検討しよう」

顔をパンと叩くと文子はよし、と気合を入れ直す。

🔽黒い風が吹いてきたことを伝える場合


「黒い風…?」
「最近どっかで聞いたような…?何だっけなぁ…」

といって文子は首をひねる。(アイデア失敗)

「状況はわかった」
「しかしこれからどうする?」

文子は君たちの言う事を信じ、君たちの活動をサポートしてくれることだろう。

🟡KP向け:調査指針について


3周目の情報を踏まえ、ここでは2段階の調査方針があると想定しています。
いずれの調査にも文子の協力が必須であり、自発的に調査の手伝いをお願いするよう促してください。

①黒い風について調査する
②九州国立博物館に向かいエジプト展を調査する

どちらも調査すると呼び出しが発生すると同時に、黒い風が発生し再びPCたちは死亡します。


4-2. 行動指針相談


◆次の方針についての話し合い


黒い風について調べたいと自発的に提案させるよう促してください。
どうしても思いつかない場合は文子側から提案させます。

「黒い風…なーんか聞いたことあるんだよな…」
「んー社務所か?どこだっけなぁ…」


🔽インターネットで黒い風を調べる場合


あなたはインターネットで黒い風について調べようとする。
しかし、なぜだろうか。黒い風を検索しても一向に検索結果が表示されない。

🔽市民図書館で調べる場合


図書館に成功すると以下の情報だけ獲得できます。(後述)

▶発見:<黒い風について>

🔽黒い風がどこから吹いていたか思い出す場合


アイデアに成功すると、幼稚園から見て太鼓橋側(国立博物館側)からだということがわかる

「広く浅く漁るなら社務所が良いか、それなりに蔵書はあるしな」
「よし、お前ら。コスプレタイムだ」

そう言って彼女は満面の笑みを浮かべるのであった。


4-3. 社務所での調査


もう幾度目かの袴姿、すっかり着慣れたその服装に袖を通し、君たちは社務所の中を歩いていた。

「ここここ、資料室」
「宝物殿ほどじゃないけどここにもわりかし資料はあるはずだ」


🟡KP向け:キーワード指定


黒い風について調べるという指定があった場合、成功率+20%
🎲判定:図書館 or 目星-1(7版のみ)
判定成功!
君たちは数ある文献の中から、術に関する資料を的確に見つけることができる。

▶発見:<黒い風について>
▶発見:<黒い雄牛信仰について>
判定失敗...
君たちは数ある文献の中から、どうにかこうにか夢見の術に関する資料を見つけ出すことができる。

▶発見:<黒い風について>

<確認:黒い風について>


<確認:黒い雄牛信仰について>


◆次の方針についての話し合い


黒い雄牛から12頭目の雄牛に行き着き、国立博物館に行くのが正順手になります。
国立博物館に言っていた場合アイデアを降らせるなどして、PC側から自発的に提案させるよう促してください。
どうしても思いつかない場合は文子側から提案させます。

「黒い雄牛…黒い風…」
「そうだ、九国で今やってるエジプト展でそんなの聞いたな」



4-4. 九州国立博物館大エジプト展


九州国立博物館は太宰府天満宮からほど近い山の上に建てられた巨大な近代的な建物だ。
外観は、建築が周囲の山並みに溶け込むように緩やかな曲線を描いた大屋根が最大の特徴で、壁面はダブルスキンガラスを使用し、自然を建物内に取り込むように設計されている。

「この辺は昔湿地帯でなぁ…いろんな虫とか生き物が取れたんだ」
「カエルとかミズカマキリとか、タイコウチとかサワガニなんかもいたな」
「庭にカエル30匹くらい逃したときは夜うるさくてたまんなかったな…」

「おっと、ノスタルジーに浸ってる場合じゃなかったな」
「正味あたしもあんまり来たこと無いんだが、とりあえずいってみようか」



◆大エジプト展展示物


①エジプトの始まりと古王国時代
②ピラミッドと神殿の建設
③神々と信仰
④新王国時代とファラオの栄光
⑤宗教と死後の世界
⑥日常生活と社会構造
⑦文化と芸術


4-4-1. ①エジプトの始まりと古王国時代


セクション1では、エジプトが一つの国として統一され、古王国時代に繁栄を迎えた様子を紹介します。
ナルメル王のパレットは、エジプト統一の象徴として、古王国時代のレリーフは、当時の社会生活と芸術文化を伝える重要な資料です。
これにより、エジプトの歴史の始まりとその後の発展を理解することができます。

◆ナルメル王の石版


▶概要:
エジプトの初期王朝時代(紀元前3100年頃)に作られた石板で、エジプト統一の象徴です。
ナルメル王は、エジプトを初めて統一した王として広く知られています。

▶詳細:
パレットの表と裏には、ナルメル王が敵を打ち倒し、エジプトを統一する様子が彫刻されています。
ナルメル王のパレットは、エジプトが一つの国として統一された瞬間を記念するものであり、古代エジプトの歴史の始まりを象徴しています。

▶見どころ:
彫刻には、ナルメル王が敵を打ち倒している場面や、エジプトの神々が描かれています。
これにより、当時の宗教的・政治的な背景がわかります。
王冠や王の姿勢など、エジプトの王権を示す象徴的な要素が多く含まれています。

◆古王国のレリーフ


▶概要:
古王国時代(紀元前2686年〜紀元前2181年)は、エジプトの歴史の中で最も繁栄した時期の一つです。
この時代のレリーフは、エジプトの日常生活や宗教儀式、王家の権威を描いています。

▶詳細:
レリーフには、王や貴族の日常生活、農業や狩猟の様子、宗教的な儀式などが描かれています。
これにより、当時の社会の様子が生き生きと伝わってきます。
芸術性: 古王国時代のレリーフは、非常に精緻で美しい彫刻技術が特徴です。
これにより、エジプトの芸術文化の高さがわかります。

▶見どころ:
農業や狩猟、家族の食事など、古代エジプトの人々の日常生活を垣間見ることができます。
また、神々への奉納や祭祀の様子が描かれ、古代エジプトの宗教的な習慣を理解する手助けとなります。


4-4-2. ②ピラミッドと神殿の建設


セクション2では、古代エジプトの最も象徴的な建造物であるピラミッドとその内部に刻まれた宗教的な碑文を紹介します。
ギザの大ピラミッドの模型を通じて、その建設技術や内部構造を理解し、ピラミッドテキストの碑文を通じて、古代エジプト人の死後の世界への信仰と願いを知ることができます。
これにより、古代エジプトの建築技術と宗教的信仰がいかに深く結びついていたかを感じることができます。

◆ギザの大ピラミッドの模型


▶概要:
ギザの大ピラミッドは、古代エジプトの最も有名な建造物の一つで、世界の七不思議の一つでもあります。
この模型は、その大ピラミッドの詳細な構造や建設方法を紹介するためのものです。

▶詳細:
大ピラミッドは紀元前2580年頃に、第4王朝のファラオ、クフのために建設されました。
これはエジプトの古王国時代にあたり、ピラミッド建設の黄金期です。
当時の技術で巨大な石を積み上げる方法には多くの謎がありますが、労働者たちが石を切り出し、ナイル川を利用して運び、斜面を使って石を積み上げたと考えられています。
ピラミッド内部には王の部屋や女王の部屋、秘密の通路などがあり、これらの空間はファラオの死後の生活を支えるために設けられたとされています。

▶見どころ:
訪問者は古代エジプト人がどのようにしてこの巨大建造物を作り上げたかを視覚的に理解することができます。
労働者たちの生活や作業風景を描いたパネル展示もあり、当時の社会の様子も知ることができます。

◆ピラミッドの碑文


▶概要:
ピラミッドにはは、古代エジプトの王や貴族の墓に刻まれた宗教的な碑文が残されています。
これらの碑文は、死後の世界での安全な旅と復活を祈願するために使われました。

▶詳細:
碑文には、呪文や祈り、神々への呼びかけなどが含まれています。
これらは死者が無事に冥界にたどり着き、再生するための導きとして機能しました。
多くの碑文は、サッカラにある第5王朝と第6王朝のピラミッド内で発見されました。
これらはエジプトの宗教文学の最古の例とされています。
碑文は、死者の魂が天に昇り、神々と一体化することを願うものであり、古代エジプト人の死生観と宗教的信念を深く反映しています。

▶見どころ:
彫刻された文字や絵は、当時の宗教儀式や信仰の具体的な様子を伝えています。
中にはいくつかの代表的な呪文や祈りの内容が解説されており、それぞれの呪文がどのような目的で使われたかが説明されています。


4-4-3. ③神々と信仰


セクション3では、古代エジプトの主要な神々とその信仰について詳しく紹介します。
オシリスとイシス、ラー、ハトホル、アピスなどの神々を通じて、エジプト人がどのようにして神々を崇拝し、その信仰が日常生活や宗教儀式にどのように影響を与えたかを理解できます。

◆オシリスとイシスの像


▶概要:
オシリスとイシスは古代エジプトの主要な神々の一組で、オシリスは死と再生の神、イシスは魔法と母性の女神です。

▶オシリス詳細:
オシリスは冥界の王で、死後の世界を支配する神です。
彼は死と再生の象徴であり、エジプト人にとっては死後の復活と永遠の命を約束する存在でした。
オシリスはミイラのような姿で描かれ、手には王権を示す杖を持っています。
彼の緑の肌は再生と豊穣を象徴しています。

▶イシス詳細:
イシスはオシリスの妻であり、魔法と母性の女神です。彼女は非常に人気があり、多くの神話で重要な役割を果たします。
特に、オシリスの復活を助けるために魔法の力を使ったことが有名です。
イシスは通常、玉座を象徴する冠をかぶった姿で描かれています。また、彼女の翼は保護と治癒を象徴しています。

▶見どころ:
オシリスとイシスの像は精巧に彫刻されており、古代エジプトの彫刻技術の高さを示しています。
彼らの神話や信仰の背景についての解説があり、訪問者は古代エジプトの宗教の重要な側面を理解することができます。

◆ラーの太陽円盤


▶概要:
ラーは太陽神で、創造と再生の神です。彼は古代エジプトの神々の中で最も重要な存在の一つです。

▶詳細:
ラーは毎朝東の空から昇り、夜には冥界を通って再び東から昇るというサイクルを繰り返します。
彼の旅は再生と永遠の象徴です。
ラーは通常、太陽円盤とともに描かれます。
彼の船が太陽と共に空を渡る姿や、冥界での戦いの場面がよく描かれています。

▶見どころ:
太陽円盤の模型や彫刻が展示されており、ラーの旅とその象徴的な意味を視覚的に理解することができます。
ラーの信仰とその社会的影響についての解説があり、古代エジプトの宗教的背景を深く理解できます。

◆ハトホルの像


▶概要:
ハトホルは愛と美と音楽の女神で、牛の角と太陽円盤を持つ姿で表現されます。

▶詳細:
ハトホルは豊穣と母性の象徴であり、また死者の守護者としても崇拝されました。
彼女は喜びと愛の女神として、人々に幸せをもたらす存在です。
ハトホルは通常、牛の角と太陽円盤を頭に載せた姿で描かれています。
彼女の姿は母性的であり、豊穣と生命の象徴とされています。

▶見どころ:
ハトホルの像は細部まで美しく彫刻されており、古代エジプトの芸術性を感じることができます。
ハトホルの信仰とその役割についての解説があり、彼女がどのように人々の日常生活や宗教儀式に影響を与えたかを学べます。

◆アピス像のレプリカ


▶概要:
アピスはメンフィスの聖なる雄牛で、豊穣と力のシンボルです。

▶詳細:
役割: アピスは非常に神聖な存在で、豊穣、力、再生を象徴します。特に豊作を祈る祭りや儀式で重要な役割を果たしました。
象徴: アピスは通常、雄牛の形で描かれます。特に額に三日月のマークがある牛が選ばれ、神聖な儀式に用いられました。

▶見どころ:
小型のアピス像: 小さなアピスの像が展示されており、その美しい造形を通じて、アピス信仰の一端を垣間見ることができます。
宗教的意義の解説: アピスの信仰の背景やその影響について解説されており、古代エジプトの宗教的風習を理解する助けとなります。

◆黒い雄牛像


黒い雄牛像 へ


4-4-4. ④新王国時代とファラオの栄光


セクション4では、新王国時代のエジプトの栄光と力を象徴する展示品の紹介です。
ツタンカーメンの黄金のマスクは、その美しさと歴史的意義の面でも、単純な造形の面でも必見の目玉展示です。
また、戦車と武具の展示を通じて、エジプトの軍事力とファラオの戦いの様子を具体的に学ぶこともできます。
これにより、新王国時代のエジプトの繁栄とその背景にある力の構造を理解することができます。

◆ツタンカーメンの黄金のマスク


▶概要:
ツタンカーメンの黄金のマスクは、古代エジプトの新王国時代(紀元前1550年〜1070年)の最も有名な遺物の一つです。
このマスクは、ファラオ・ツタンカーメンの墓から発見されました。

▶詳細:
ツタンカーメンは紀元前1332年から紀元前1323年まで在位したファラオで、彼の墓は1922年にイギリスの考古学者ハワード・カーターによって発見されました。
この発見は、20世紀最大の考古学的発見とされています。
黄金のマスクは、純金と宝石で作られており、ツタンカーメンの顔を模したものです。
細部にはラピスラズリ、カーネリアン、ガラスなどの素材が使われ、非常に精巧に作られています。
マスクは、死後のツタンカーメンの魂を守るためのものであり、彼の来世での復活と永遠の命を象徴しています。

▶見どころ:
マスクの細部にわたる精巧なデザインと、使われている素材の美しさをじっくりと観察できます。
ツタンカーメンの生涯や彼の治世についての解説があり、彼の墓が発見された経緯やその意義も学べます。

◆戦車と武具


▶概要:
新王国時代には、エジプトは強力な軍事力を持っていました。
この展示では、当時の戦車や武具を紹介し、エジプトの軍事技術とファラオの戦いの様子を描き出します。

▶詳細:
戦車はエジプト軍の主力武器であり、戦争や儀式で重要な役割を果たしました。
軽量で機動力があり、速やかに敵を攻撃することができました。
剣や弓、矢などの武具が展示されており、これらはエジプト兵士が使用した実際の装備品です。
武具には精緻な装飾が施されており、その美しさと機能性を兼ね備えています。
ファラオは戦場で指揮を執り、エジプトを外敵から守るだけでなく、領土拡大を図りました。
戦車と武具の展示を通じて、当時の軍事戦略や戦いの様子を理解することができます。

▶見どころ:
戦車や武具の実物が展示されており、その構造やデザインを詳細に見ることができます。
エジプトの軍事力がどのように発展し、どのように使われたかについての解説があります。
ファラオの役割や軍事戦略についても学べます。


4-4-5. ⑤宗教と死後の世界


セクション5では、古代エジプトの宗教と死後の世界に焦点を当てます。
「死者の書」のパピルスを通じて、エジプト人がどのようにして来世での安全を祈ったかを理解し、ミイラと副葬品の展示を通じて、死者が来世で快適に過ごすための準備について学べます。
さらに、死者の守護神アヌビスの像を通じて、エジプトの死後の信仰と儀式の詳細を理解することができます。
これにより、古代エジプト人の死生観と宗教的信念を深く知ることができます。

◆死者の書


▶概要:
「死者の書」は、古代エジプトの死後の世界へのいわばガイドブックです。
パピルスに書かれたこれらの文書は、亡くなった人が安全に冥界を旅し、来世で幸せに暮らすための呪文や指示が含まれています。

▶詳細:
「死者の書」は紀元前1550年頃から使用され始め、新王国時代に最もよく知られました。
エジプト人は死後の世界を非常に重視しており、死者が来世で安全に過ごせるようにこれらの文書を墓に埋めました。
典型的な「死者の書」には、呪文、祈り、神々への呼びかけが書かれています。
これらは死者が冥界での試練を乗り越え、オシリス神のもとで復活する手助けをします。
「死者の書」はパピルスという紙のような素材に書かれ、巻物として保存されました。これにより、持ち運びや保存が容易でした。

▶見どころ:
「死者の書」のパピルスの一部が展示されており、古代の文字や絵がどのように描かれていたかを見ることができます。
いくつかの代表的な呪文が解説されており、それぞれがどのような意味を持ち、どのように使われたかを学ぶことができます。

◆ミイラと副葬品


▶概要:
ミイラは古代エジプト人が死後の世界で復活するための重要な手段でした。
副葬品は、死者が来世で必要とする物品を供えるために一緒に埋葬されました。

▶詳細:
ミイラ化は非常に精巧なプロセスで、死者の体を保存するために内臓を取り出し、防腐処理を施し、包帯で巻く手順を経ました。
これにより、体が腐敗せず、長期間保存されます。
副葬品には、食べ物や飲み物、家具、装飾品、そして魔法のアミュレットなどが含まれます。
これらは死者が来世で快適に過ごすために必要とされました。
エジプト人は死後の世界を非常に重視し、来世での生活を豊かにするためにミイラと副葬品を用意しました。

▶見どころ:
実際のミイラが展示されており、その保存技術や歴史的背景を学ぶことができます。
副葬品の種類や用途についての解説があり、古代エジプト人の来世に対する考え方を理解できます。

◆アヌビス像


▶概要:
アヌビスは死者の守護神で、ミイラ化と死後の世界への旅を司る神です。
アヌビスは、ジャッカルの頭を持つ姿で描かれます。

▶詳細:
アヌビスは死者の魂を冥界へと導き、ミイラ化の儀式を監督する役割を持っています。
また、冥界の裁判で死者の心臓を天秤にかけ、その魂の善悪を判断する役割も果たします。
アヌビスはジャッカルの頭を持ち、墓やミイラ化の儀式の際に重要な役割を果たします。
彼の姿は、死者を保護し、導く力を象徴しています。

▶見どころ:
精巧に彫刻されたアヌビスの像が展示されており、その神聖な役割と象徴を視覚的に理解できます。
アヌビスがどのようにしてミイラ化の儀式を監督したか、その具体的な手順や儀式の意味について学べます。


4-4-6. ⑥日常生活と社会構造


セクション6では、古代エジプト人の日常生活と社会構造について詳しく紹介します。
衣装とアクセサリーの展示を通じて、当時のファッションや社会的地位の違いを理解し、農耕具と収穫物の展示を通じて、古代エジプトの農業とその重要性を学ぶことができます。
これにより、エジプト文明の豊かさとその基盤となった日常生活を深く理解することができます。

◆古代エジプトの衣装とアクセサリー


▶概要:
古代エジプトの人々がどのような衣装やアクセサリーを身に着けていたかを紹介します。
これらの展示を通じて、当時のファッションや社会の構造について理解することができます。

▶衣装詳細:
古代エジプトの衣装は、基本的にリネン(亜麻布)で作られていました。
リネンは涼しく、エジプトの暑い気候に適していました。
男性はシュンディットと呼ばれる腰布を身につけました。
高位の人物やファラオは、より豪華な衣装を着用し、場合によっては金や宝石で装飾されました。
女性はカラシリスと呼ばれるドレスを着用しました。
これは体にフィットするシンプルなドレスで、高位の女性はさらに豪華な刺繍や装飾が施されたものを身につけました。

▶アクセサリー詳細:
アクセサリーは、社会的地位や個人の美しさを示すために重要な役割を果たしました。
ネックレス、ブレスレット、イヤリングなどは金や宝石、貴金属で作られたものが多く、高位の人物ほど豪華なアクセサリーを身につけました。
スカラベ(甲虫)の形をしたアミュレットは、幸運や再生の象徴として非常に人気がありました。

▶見どころ:
当時の衣装やアクセサリーの実物が展示されており、その細かいデザインや素材をじっくりと見ることができます。
衣装やアクセサリーがどのように作られ、どのような場面で使用されたかについての解説があります。
これにより、古代エジプト人の日常生活や社会構造を理解することができます。

◆農耕具と収穫物


▶概要:
古代エジプトの農業は、ナイル川の氾濫と密接に結びついていました。
このセクションでは、農耕具と収穫物を通じて、古代エジプトの農業とそれが日常生活にどのように影響を与えたかを紹介します。

▶詳細:
古代エジプトの農耕具は、シンプルながらも効果的な設計が特徴です。
鋤は土を耕すための基本的な道具で、木製の刃を持つものが一般的でした。これにより、土壌を柔らかくし、作物の種を植える準備をしました。
鎌は収穫に使用される道具で、石や青銅で作られた刃を持つものがありました。これにより、効率的に作物を刈り取ることができました。
主な収穫物には、小麦や大麦、野菜、果物などが含まれます。これらはエジプト人の主食となり、食生活の中心を成しました。
小麦と大麦はパンやビールの原料となり、エジプト人の食文化に欠かせないものでした。
野菜と果物は玉ねぎやレタス、ナツメヤシなどが栽培され、バランスの取れた食事を支えました。

▶見どころ:
実際に使用された農耕具が展示されており、その形状や使用方法を視覚的に理解できます。
当時の収穫物のサンプルや模型が展示されており、古代エジプトの食生活について学ぶことができます。
ナイル川の氾濫が農業に与えた影響についての解説があり、エジプト文明の繁栄を支えた自然の恵みについて理解できます。


4-4-7. ⑦文化と芸術


セクション7では、古代エジプトの文化と芸術に焦点を当てます。 ヒエログリフの石碑を通じて、エジプトの文字とその解読の歴史を学び、壁画の再現を通じて、古代エジプトの芸術の美しさとその背景を理解します。 これにより、エジプト文明の豊かさとその文化的な達成を深く感じることができます。

◆ヒエログリフの石碑


▶概要:
ヒエログリフは、古代エジプトで使われていた象形文字です。このセクションでは、ヒエログリフが刻まれた石碑を展示し、その解読方法や意味について紹介します。

▶詳細:
ヒエログリフは絵文字であり、物事や音、考えを表現するために使われました。
エジプトの宗教的なテキストや公式な文書に広く用いられました。
ヒエログリフが刻まれた石碑には、王の業績や神々への祈り、重要な歴史的出来事が記されています。
これらの文章は、当時の文化や宗教の理解に役立ちます。
ヒエログリフは長い間解読不可能とされていましたが、1822年にフランスの学者ジャン=フランソワ・シャンポリオンがロゼッタ・ストーンを用いて解読しました。
これにより、古代エジプトの文献が読めるようになりました。

▶見どころ:
ヒエログリフが刻まれた実物の石碑を展示し、その美しい彫刻と詳細な内容を観察することができます。
ヒエログリフの基本的な読み方や構造を解説し、訪問者が簡単な文字を理解できるようにします。
ロゼッタ・ストーンの発見と解読の経緯についての展示もあり、ヒエログリフの解読がどのように進んだかを学べます。

◆壁画の再現


▶概要:
古代エジプトの神殿や墓の壁画は、当時の生活や宗教的儀式を描いた重要な芸術作品です。
このセクションでは、壁画の一部を再現し、その美しさと歴史的背景を紹介します。

▶詳細:
古代エジプトの壁画は、鮮やかな色彩と細部まで描かれた絵が特徴です。
主に石灰岩の壁に描かれ、長い時間をかけて丁寧に作成されました。
壁画には、ファラオや神々、日常生活、農業や狩猟の場面、宗教儀式などが描かれています。
これにより、エジプトの文化や宗教、社会生活が視覚的に伝えられています。
壁画の色彩は、天然の鉱物や植物から作られた顔料を使用しており、その保存状態の良さは古代の技術の高さを物語っています。

▶見どころ:
神殿や墓の壁画の一部を再現し、その美しさと歴史的背景を解説します。
訪問者は、壁画を通じて古代エジプトの文化や宗教儀式を視覚的に理解できます。
壁画に使われた顔料や技法についての解説があり、古代の芸術技術がどのように発展したかを学べます。
壁画に描かれた場面の意味や背景について詳しく解説し、それが当時の社会や宗教にとってどのような重要性を持っていたかを理解できます。


4-5. 黒い雄牛像


展示スペースの一角に置かれた雄牛像、一見ただの牛の像なのだが、君たちはどこか不吉めいた異質さを感じることだろう。
感じる気配は前のループで感じた黒い風の気配をより圧縮し牛の形にとどめたようなおぞましいなにかだ。
血走った右目と猫に似た緑色の瞳が2つある左目、怒張した男根を持ち、黒い巨体にはラメのようにきらびやかな輝きが織り交ぜられている。
手を伸ばせば届く位置にあるそれは、とても人が近づいて良い存在とは思えない。

君たちがそんな雄牛像の気配に圧倒されていると、小さな子供が雄牛像に駆け寄っていき、ペタっと触れる。
「12頭目の牛さんいた~」と無邪気に励む少年ははじめ牛にあえてはしゃいでいたが、やがてその場にぺたりと座り込んでしまう。
どうしたものかと親が慌てて駆け寄ると「なんか疲れちゃった…」といってトボトボと歩み去っていく。

◆黒い雄牛像


▶概要:
黒い雄牛像はアピス信仰他、牛信仰に紛れて信仰された密教であり、星々の向こう側よりの黒い雄牛などとも呼ばれています。

▶詳細:
黒い雄牛の到来は世の終わりと同義であるとされています。
この神は黒い巨大な雄牛の姿か、半人間の姿で顕現し、人々を甘言や幻覚によって誑かし、信者の生気や精神力を自らの信仰の糧としたとされています。
かの神のあり様は実に巧みで、自然とエジプト文化に溶け込んでおり、中にはエジプトのミイラ文化もこの黒い雄牛が起源とする説すらあります。
またこの神にはもう一面の姿があり、人の生気を十分に吸い取った後は黒い風へと姿を変え、ときに大規模な疫病と飢饉、干ばつを巻き起こすとされます。

▶見どころ:
雄牛像の他には壁画のレプリカがあり、そこでは黒い風に姿を変えた黒い雄牛によって、人々が飢餓や疫病に苦しむ様子が記されています。
しかし、それに対抗するかのように雷雲が発生し、黒い雄牛を押し返している様子も同時に描かれています。
とある教授のコメントでは、この雷は火雷神と呼ばれる神であり、天神信仰とも関連があるかもしれないと注釈が入れられています。

🔽黒い雄牛像に触る場合


きみは恐る恐る像に手を伸ばす。
ひたりと触れた手から感じるのはなんてこと無い石像の気配。
しかしその瞬間、ふっと、自分の中からなにかの要素が失われた感覚に陥り思わず膝を折る。

 POW永久減少:-1 

🎲判定:歴史 or 知識-1(7版のみ)
判定成功!
あなたは火雷神と呼ばれる神に聞き覚えがある。
確か、天神信仰の前身となった、京都の北野の地にある平安京の西北・天門の鎮めとして祀っていた地主神のことをさしたはずだ。
判定失敗...
特に聞き覚えはなかった。

>諸々を踏まえてのRP、方針確認など

→展示場を離れようとする:黒い風の招来


4-6. 黒い風の招来


一人の見学客がまたぺたりと雄牛像に触れる。
すると、博物館の静寂を破るように、雄牛像が唸り声のようなものを上げる。
その漆黒の表面には、不気味な光がかすかに浮かび上がる。
そして雄牛像はみるみるうちにその姿を大気に溶かし、それと同時にそこから黒い瘴気を撒き散らし始める。

黒い瘴気は、まるで生き物のように勢いよく渦を巻き、一陣の風となって館内を駆け巡る。
風に触れた展示品や壁が黒ずみ、空気中には病魔の気配が漂い始める。
風は冷たく、氷のような冷気を伴いながら、あらゆるものに触れるたびに生命力を奪い取っていく。

不運にも一番近くにいた見学客が、その黒い風をまともに浴びてしまう。
すると彼は大きく悲鳴を上げながら血を吐き散らし、その身をミイラのように枯らしてしまう。

風の余波を受けただけの君たちも徐々に体中に寒気が広がり、手足がしびれて動かなくなる。
視界はぼやけ、頭がくらくらと回り始める。
全身が重く、まるで鉛のように感じられる。顔色は急速に青白くなり、冷たい汗が額から滝のように流れ落ちる。
やがて立つこともできなくなり、地面に手をついて苦しげに呼吸を繰り返す。

周囲の見学者たちも続々と膝をつきその場に倒れ伏しだす。
その間にも黒い雄牛像は黒い風へと姿を変え続け、常に病魔を伴いながら絶え間なく吹き続ける。
次第に意識が薄れ、冷たい風以外に何も感じられなくなる。
やがてはそれすら感じられなくなり、君の意識は冷たい風に吹かれどこか遠くへ遠くへと流されていく。