3-1. 赤の神との邂逅


🟥以降秘匿(PC1のみ)



目が覚める。
慌てて手を確かめると、そこから愛おしいぬくもりが失われてすでに久しく、目的の人物は見当たらなかった。
周囲を見渡すと、自分が見知らぬ部屋にいることに気づいた。
異様な部屋だ。部屋全体が血のような真っ赤な色で彩られている。
床、壁、さらには天井までもが、暗い赤色に染め上げられており、部屋全体が何かの生き物に呑み込まれたような印象を与える。
窓はなく、どこからともなく漏れてくる赤い光が部屋の中を薄暗く照らしているだけだ。

「美しくない…美しくないわ…」

突然、空気が振動し始め、部屋全体が凄まじいプレッシャーに満たされる。
その圧は徐々に強まり、床が震え、壁が軋む。
そして、現実が歪むかのような感覚に襲われる中、不意にその気配は現れた。

その存在感は圧倒的で、その気配だけで空間が重く圧縮されるような感覚になる。
目の前の空間がぐにゃりと歪み、そこから現れるのは言葉では表現できないほどの畏怖を感じさせる気配。

その圧倒的なプレッシャーに押し潰され、君は顔を上げてその全貌を見ることができない。
頭を深く垂れ、視界を床に落とすしかない。
耳には神の存在を告げるような不可解な音が響き渡り、その音は君の内側にまで浸透してくる。
身体全体が震え、心臓の鼓動が耳をつんざくように激しくなる。

空気はさらに重く、呼吸すら困難になる。
周囲の調度品もこの神聖とも邪悪とも取れるなる気配に反応するかのように、ぎこちなく動きを止めてしまう。
君はただ、その場に跪いて、この超自然的な存在による精神的な圧迫に耐えるしかなかった。
この人外の神の前には、人間の力はあまりにも無力で、その威光に完全に屈服するしかないのだった。

「振る舞いに優雅さのかけらもない」
「心は貧しく、醜いまま…」
「…やはり容姿だけではだめね」

大気を震わせず、直接頭蓋に響くその声。
君は、この声、そしてこの気配に覚えがあった。
およそ一年前、君が召喚し契約を交わした赤の神、かの神が眼前に招来しているのだ。

「捧げ物とは捧げられなければ意味がないの」
「何を恐れているか知らないけど、私は捧げ物に先に手を付けるような節操のない神じゃないわ」
「それに、約束の時間まではまだ少し猶予があるけど」

そう言って指し示された場所には古い時計があった。
時計はちょうど短針が9の字を指し示したところであり、約束の時まではまだ3時間ほどあることがわかる。

「ここに来たのは心の醜いお前に釘を刺すためよ」
「明日0時きっかりにお前は私の元を訪れることになるわ」
「その時、このナイフを捧げ物の心臓に穿ちなさい」
「それさえできれば、お前に不釣り合いなその美しい容姿は永遠にお前のもの」

そう言って頭を垂れる君の眼前に、小ぶりながらも重厚感が有り禍々しい赤いナイフが捨て置かれる。

「それができねば、お前も、捧げ物ももちろん命はないと思いなさい」
「その時はどうしてくれようかしら」
「二人まとめて醜いカエルに変えて美しいヘビに食わせてやろうか」
「それとも元の醜い姿のまま、永遠とこの館で見世物にしてやろうか」

君は、これが決してただの脅しでないことを知っている。
自分が契約した神が何よりも美しく、残酷で、残忍な神であることを君は誰よりも理解しているつもりだ。

「0時になったら正面の赤い部屋の奥の扉から私の元を訪れなさい」
「もちろん0時より早くても遅くてもだめ」
「良いわね?」

軽い口調とは裏腹に、その言葉には有無を言わせぬプレッシャーがあった。
しかして神はそう言い残すと、あっさりとその姿を消し、後にはただただ頭を垂れ、冷や汗をかくばかりの君が残された。

かの神と予期せぬ謁見を果たし、強烈な釘を差された君はSANチェック。
 SANc:1/1D4 


3-2. 黒の神との邂逅


🟥以降秘匿(PC2のみ)



目が覚める。
慌てて手を確かめると、そこから愛おしいぬくもりが失われてすでに久しく、目的の人物は見当たらなかった。
周囲を見渡すと、自分が見知らぬ部屋にいることに気づいた。
部屋は真っ黒な床と壁で囲まれ、ただ一点の薄暗い灯りがぼんやりと空間を照らしている。
空気は湿っぽく、冷たく、静寂が深い闇に溶け込んでいる。壁際には古びた調度品が配されており、それらが不気味な影を落としている。

「醜い醜い…」
「やはりお前は良い」

突然、空気が振動し始め、部屋全体が凄まじいプレッシャーに満たされる。
その圧は徐々に強まり、床が震え、壁が軋む。
そして、現実が歪むかのような感覚に襲われる中、不意にその気配は現れた。

その存在感は圧倒的で、その気配だけで空間が重く圧縮されるような感覚になる。
目の前の空間がぐにゃりと歪み、そこから現れるのは言葉では表現できないほどの畏怖を感じさせる気配。

その圧倒的なプレッシャーに押し潰され、君は顔を上げてその全貌を見ることができない。
頭を深く垂れ、視界を床に落とすしかない。
耳には神の存在を告げるような不可解な音が響き渡り、その音は君の内側にまで浸透してくる。
身体全体が震え、心臓の鼓動が耳をつんざくように激しくなる。

空気はさらに重く、呼吸すら困難になる。
周囲の調度品もこの神聖とも邪悪とも取れるなる気配に反応するかのように、ぎこちなく動きを止めてしまう。
君はただ、その場に跪いて、この超自然的な存在による精神的な圧迫に耐えるしかなかった。
この人外の神の前には、人間の力はあまりにも無力で、その威光に完全に屈服するしかないのだった。

「浅ましく哀れなその振る舞い」
「人間の姿を手に入れても、心は貧しく、醜いまま…」
「やはりお前を選んで正解だった」

大気を震わせず、直接頭蓋に響くその声。
君は、この声、そしてこの気配に覚えがあった。
およそ半年前、君が召喚し契約を交わした黒の神、かの神が眼前に招来しているのだ。

「捧げ物とは捧げられなければ意味がない」
「そんなこともわからないとは何処まで愚鈍なのかしら」
「安心しなさい、約束の時間まではまだ少し猶予があるわ」

そう言って指し示された場所には古い時計があった。
時計はちょうど短針が9の字を指し示したところであり、約束の時まではまだ3時間ほどあることがわかる。

「ここに来たのは心まで醜いお前に釘を刺すため」
「明日0時きっかりにお前は私の元を訪れることになるわ」
「その時、このナイフを捧げ物の心臓に穿ちなさい」
「それさえできれば、醜いお前に不釣り合いなその人間としての姿わ永遠にお前のもの」

そう言って頭を垂れる君の眼前に、小ぶりながらも重厚感が有り禍々しい黒いナイフが捨て置かれる。

「無論それができねば、お前も、その捧げ物も命はない」
「その時はどうしてくれようかしらね」
「二人まとめて食ってしまおうかしら」
「それとも元の醜い姿のまま、永遠とこの館で見世物にしてやろうか」

君は、これが決してただの脅しでないことを知っている。
自分が契約した神が何よりも醜く、残酷で、残忍な神であることを君は誰よりも理解しているつもりだ。

「0時になったら正面の黒い部屋の奥の扉から私の元を訪れなさい」
「もちろん0時より早くても遅くてもだめよ」
「わかったわね?」

軽薄な口調とは裏腹に、その言葉には有無を言わせぬプレッシャーがあった。
しかして神はそう言い残すと、あっさりとその姿を消し、後にはただただ頭を垂れ、冷や汗をかくばかりの君が残された。

かの神と予期せぬ謁見を果たし、強烈な釘を差された君はSANチェック。
 SANc:1/1D4 


3-3. 再会


部屋を出るとそこには探し求めた人物の姿があった。
時間にしてほんの数分。
しかし、永遠とも感じられるその時間を経て君たちは再会する。

>再会RP

再会を喜ぶあなた方。しかし、喜んでばかりもいられない。
依然として、ここは先程までと違い得体のしれない場所。
周囲の様子を確認し、慎重に行動する必要があるだろう。