エピローグ

9-1. 共通エピローグ


季節は出来たる師も裸足で駆け出す師走時。
世俗の人間がすべからくせわしなく動くこの時期において、足を止め芸をする君たちの姿は酷く浮いて見えることだろう。
しかし、この場においてはそれが正しく、また周囲の人間もそんな君達に熱心に視線を送っている。

E-1グランプリ決勝戦。
本年中止を発表されていたE-1だったが、予定を延期に変更。
そして、大晦日の今夜、特番としてその様子が全国に映されることとなった。
会場には急な開催にも関わらず、例年よりも沢山の観客が溢れんばかりに押し寄せてきている。

本日は久方ぶりの快晴。
舞台に臨む君たちの心情はどのようなものだろうか。
様々な感情が胸中に押し寄せるが、舞台に立った瞬間そんなものは吹き飛んでしまう。
やるべきことは一つ、目の前の観客たちを笑顔にすることだけだ。

🎲判定:芸術<お笑い> (技能値補正±0、必要成功数6/6)
判定成功!
観客、審査員席から大きな笑いが起こる。
それは、久しく見れていなかった、観客一丸となっての心からの笑顔だった。

※優勝です
判定失敗...
観客、審査員席から大きな笑いが起こる。
しかし幾人かの審査員は少し厳しい顔をしている。

※入賞止まりです

やるべきことはやったと、確かな手応えを感じる。
観客からの鳴り止まない声援の中、あなた方は舞台をあとにしようとし、ふと振り返る。


観客席、最前列の真ん中。
一瞬そこに、2つの影が見える。
楽しそうに笑う少女が二人。白髪長髪の見慣れた少女、そしてそれとよく似た顔の白髪ボブカットの少女。
二人は心からの笑顔でひとしきり笑うと、君たちの視線に気づき一つ微笑むと、こちらに向け手を振ってくる。

手を振り返そうとした時、二人の姿はあっという間に冬の澄み切った空気の中に溶けてしまう。
その代わり、そこに居たのは二人の人物だった。

先程の少女二人にまさるとも劣らず心の底から楽しそうに笑う人物が二人、こちらに向けて手を振っている。
それは君たちの大事な家族。大切な妹と大切な姉の姿。

求めてやまなかった二人の笑顔。
ようやく見れたその達成感と同時に、何かまた大切なものを失った実感が湧きその切なさが同時に押し寄せてくる。
それでも今日は晴れの舞台だ。
涙は舞台に似合わない。
君たちは持てる限りの笑顔を持って観客たちに手を降って舞台をあとにする。

>舞台袖でのRP

そのように話していると、舞台の方から大きな声が聞こえてくる。

🔽優勝していた場合


「波乱となった本年のE-1グランプリ、その激戦を制し、日本のエンターテイナーの頂点に立ったのは…!」
「{コンビ名}!見事栄冠をものにしました!」

「一度は中止となった本大会、艱難辛苦を乗り越え、誰よりも会場の、いえ日本中の人々に笑顔を届けたのは間違いなくこの二人でありました!」
「今一度、我らがチャンピオンに盛大な拍手をお願いいたします!」

その言葉で今一度観客席は、一面の笑顔で満ち溢れかえる。
それぞれの顔には、純粋な喜びと感動が溶け込んでおり、その表情からは心からの幸福があふれ出している。
子供たちは目を輝かせ、大人たちは感慨深げにその瞬間を見守る。
一人ひとりが手をたたき、声を合わせて歓喜の声を上げる中、その熱気は会場全体を温かく包み込んだ。

🔽優勝していなかった場合


「波乱となった本年のE-1グランプリ、その激戦を制し、日本のエンターテイナーの頂点に立ったのは…!」
惜しくも君たちは優勝には至らなかった。しかし全力を尽くした今、後悔はない。

「今一度、出場者の皆さんに大きな拍手を!」

会場からは溢れんばかりの拍手が君たち出場者に送られる。
観客それぞれの顔には、純粋な喜びと感動が溶け込んでおり、その表情からは心からの幸福があふれ出している。
子供たちは目を輝かせ、大人たちは感慨深げにその瞬間を見守る。
一人ひとりが手をたたき、声を合わせて歓喜の声を上げる中、その熱気は会場全体を温かく包み込んだ。

>優勝/入賞後のRP(PC二人での最後のRPになります)

優勝者が決まり、グランプリが終わるも、本年は祝賀会を見送り、その場で解散という流れになった。
多くの人に見送られ会場をあとにしたあなた方だが、今は最寄り駅にそれぞれ2人きりだ。


9-2. PC1エピローグ


「優勝/入賞 おめでとう、お兄ちゃん/お姉ちゃん」

心からの祝福を向けるのは、君の妹。

▶妹とのRP

「決勝戦すごかったね、準決勝までも見たかったなぁ…」
「でもなんだろう、準決勝までも一緒に見た気もするんだよね。私、もしかしたら夢で会場に行ってたのかも?」

そう言って笑う妹の笑顔に、誰かの笑顔が重なる。

「さ、帰ろう」

帰ろうとしたその時、ふと頬に冷たい感触を受ける。

「あれ、雪だ…キレー」
「あ、どうしよう。私傘持ってないや」

そう言って荷物を漁る彼女、しかしあなたは連日の雨もあって傘を持つのが習慣化しており、傘を持っています。
いかがしますか?

🔽傘を差して上げる場合


「ありがとう!」
「えへへ、なんか久しぶりだな。」
「こうやってお兄ちゃん/お姉ちゃんと歩くのも、一緒に家に帰るのも」
「うん?いや、ついこないだか。あれ?」


深々と降る白い雪の中、ふと彼女が立ち止まる。

「お兄ちゃん/お姉ちゃん」

二人で傘を使っているせいか、その髪に少しの雪がつもり、髪を白く染めている。

「ありがとう」
「私に、笑顔を教えてくれて」

そう言って心から笑う彼女の笑顔に、たしかに誰かを見た気がする。


9-3. PC2エピローグ


「優勝/入賞 おめでとう、{PC2名前}ちゃん」

心からの祝福を向けるのは君の姉。
顔自体は最近も見ていたが、この下手な笑顔を見るのは随分久しぶりのことに感じる。

▶姉とのRP例

「すごかったね、本当に 優勝/入賞 しちゃうなんて」
「会場の人、みんな笑顔だったわ。あんなに沢山の人の笑顔、初めて。本当にすごいわ{PC2名前}ちゃん」


「さ、帰りましょう」

帰ろうとしたその時、ふと頬に冷たい感触を受ける。

「あら、雪…?」
「えーっと、傘…あれ?忘れちゃったかしら…」

そう言っていそいそと荷物を漁る彼女。
雨の中の仕事が習慣化していたあなたは傘を持っていますが、いかが致しますか?

🔽傘を差して上げる場合


「あら、ありがとう!」
「なんか久しぶりね、こうやって二人でお家に帰るの」

「あ、今は{PC1名字}さんの家に住んでるのか…」
「大丈夫?迷惑かけてない?」
「ご飯ちゃんと食べてる?」


深々と降る白い雪の中、ふと彼女が立ち止まる。

「{PC2名前}ちゃん」

二人で傘を使っているせいか、その髪に少し雪がつもり、その半分を白く染めている。

「ありがとう」
「私を見つけてくれて、私を暗い場所から助け出してくれて」

そう言って笑う彼女の笑顔に、たしかに誰かを見た気がする。

ED:lol


エンディング

9-4A. ED:lol ~Laugh Out Loud~


生きていると色々とつらいこともあると思う。
とてもじゃないけど笑えないときとか、笑顔を見るのも嫌なときとか。

だけど、そんなときこそ笑顔になって欲しい。
笑顔はあなたを強くしてくれるから。
そして、きっとその笑顔は廻りの人も幸せにしてくれると思うから。

だから笑って。
誰かの笑顔の中に、私はいるから。

新クトゥルフ神話TRPG「ラフ・アウト・ラウド」終了

🟡KP向け:クリア報酬


SAN回復:2d10
幸運回復:5回成長ロール


9-4B. ED:101 ~one oh one~


🟡KP向け:本エンドについて


モモカを途中で見捨てる、最終日に東京タワーにいかないなどの選択をすると、このエンドになります。
このエンドでは、日本全土が狂気に陥り、PC自信も狂気に陥る(内久保の電撃銃を受けていない場合)か、そうでなくとも狂人の刃に倒れることになります。
モモカもまた、何者にもなれず、No.101という名前のままその生命を無為に終わらせることになるでしょう。
「ギャハハハ」「イヒヒヒ」
大きな笑い声が、かき混ぜられるようにして街に響き渡る。
笑い声は重なり合い、不穏な雰囲気を街の隅々まで運んでいく。
狂い笑う人々が手に手に火を取り、それを街に投じる。
彼らの目には、恐怖や絶望を超えた熱狂が宿り、街を炎で包み込むことに何の躊躇いも見せない。
その一方で、刃物を手にした者たちは、恐怖に震える人々に向けて、容赦なくそれを振り下ろす。

「アハハハハハハ」という笑い声が、まるで呪文のように繰り返される。
その笑い声はあたかも街全体が共鳴しているかのように絶え間なく続く。
しかし、そこに本当の笑顔は一つもない。

そんな混沌とした街の片隅で、何者にもなれなかった少女、その残骸は光となって一人静かに佇む。
彼女は、狂気じみたこの世界で、何者にもなれず、ただ孤独に包まれている。
かつて、彼女に向けられた温かな笑顔や慈愛の言葉は、今や影も形もなく街の狂気に飲み込まれてしまった。
彼女に笑いかけるものは、もう誰もいない。

新クトゥルフ神話TRPG「ワン・オー・ワン」終了

🟡KP向け:クリア処理


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