菅原道真公(すがわらのみちざねこう)

本シナリオでは、ご存命の際から秀でた呪術師としての側面を持っており、大陸から伝わる邪教じみた呪術が広まるのを防ごうと遣唐使の廃止を行った。
大陸の呪術、邪教にどっぷり浸っていた時平とはこれが原因で反目し合っており、そのため史実通り太宰府に左遷されることとなった。
左遷後は邪教(黒い雄牛=ニャルラトホテプ)に侵されつつある国を憂い、親族に火雷神(クトゥグア)の召喚をするよう夢枕に立ち指示を出し、これが清涼殿落雷事件につながった。
その際、桑原だけ落雷を逃れたのは、術者が桑原に住んでいたのと、領地であった桑原には邪教が蔓延していなかったためである。
その後は未来の人の夢に渡り、悟りを開くなど残りの人生を謳歌していたが、自分の死後太宰府に自分を祀った天満宮ができると知り、それを守護すべく術を施した。
この術が回りくどいのは柔軟性と対象人数を高めるためだが、本来であればもっと大人数に仕掛け、沢山の人に機会を与え人海戦術も行えるはずの術だった。
今回ループが少人数だったのは、駅前の信号音がとおりゃんせでなくなり久しいため大多数の人間はとおりゃんせを聞いておらず、そんな中で偶然文子の着信音を聞いた人数がまずごく少数で、加えて危機にいち早く巻き込まれた人数もまた少人数であったため。
(幸一は自前の着信音を聞いていた)
詰めが甘いがなんとかなったのは道真公の人徳のなせる技なのか、それとも全て計算づくだったのか。
五条 文子(ごじょう あやこ)

前半は第三の探索者として、PCたちと交友を深めつつ探索を行うが、ヒロイックに散った後は、モブ姫となり後のことをPCたちに任せることとなる。
PC達が文子を助けたいと思ってくれるかどうかがシナリオ的には大きな焦点となる。
人物は男勝りで気風がよく、気持ちの良い人物。
反面、大雑把で多少ノンデリカシーな面も。
藤原恵子とは幼馴染兼恋人で、事件日で付き合って三年になる。
そんな日に探索者を家に招くといい出すのだから恵子は怒って当然である。
父親である高辻幸一とは、一見仲が悪いが険悪なわけではなく、むしろ気を使わない間柄と言える。
幸一を邪険にしているのは幸一の浮気が原因で両親が離婚したため。
母親は本シナリオに登場しないが、五条家の人間で、父方の高辻家同様菅原家の系列。
つまるところ文子は菅原家のサラブレッドであり、天神ゆかりの人物の条件を十二分に満たしている。
その他、道真公を天神様と呼ぶのを嫌っている。
曰く、京での厄災は道真公と無関係で、悪いことをした連中が罪の意識から勝手に被害妄想で言っているだけだから。とのこと。
当シナリオでは半分は道真公によるところなのだが。
藤原 恵子(ふじわら けいこ)

前半部分は彼女がなぜ文子を刺したのか(実際には刺していないが)の謎を引きとして探索者に探索を頑張ってもらうことになる。
調べるうちに恵子にも愛着を持ってもらい、敵役の役割を本当の適役である時平にバトンタッチするのがシナリオの流れ。
人物は気が強く口は悪いが、おせっかいで世話焼き、心配りのできるツンデレ的人物。
五条文子とは幼馴染兼恋人で、事件日で付き合って三年になる。
三周年記念の準備をルンルンでしていた所、直前で文子が当日に探索者を家に呼ぶといい出してぶちギレ中。
最終的には、探索者には助けられたし、文子はいつものとおりだしで納得して探索者を家に招いている。
苦労人体質で、今回のシナリオでもそれが遺憾なく発揮されている。
探索者達が大団円を迎えるには、彼女の協力が必須になるため、はじめの不信を払拭して人物に好感が持てるようにできると良い。
藤原 時平(ふじわらのときひら)

本シナリオでは、存命の際から秀でた呪術師であり、呪術を用いて政敵を次々と籠絡しては傀儡にしていたと言う背景を持っている。
この時平を支えたのは大陸から伝わる呪術(黒い雄牛=ニャルラトホテプ産)であり、これが命綱であった。
菅原道真公とは当初より反目していたいが、遣唐使を廃止され呪術の渡来が止まってしまったことが決定打となり排除に動く。
思惑通り道真公を廃したものの、夢を介して説得に現れる道真公に憤慨して若くして死亡。
時を経て保険として行っていた蘇りの夢見術により恵子の夢に現れ、恵子を下し恵子の記憶と肉体を手中に収める。
その際、信仰していた黒い雄牛の覚醒が近いことと、菅原の血が近くにいることを知り、黒い雄牛と偽の火雷神(ヤマンソ=別天神)で太宰府の街を無茶苦茶にしてやろうと画策をはじめた。
ヤマンソを招来する必要はないのだが、これは火雷神(=クトゥグア)を用いて宮中を浄化した道真公への意趣返しであり自己満足。
このように強力な呪術師なのだが、本編では周回の都合上、二周目は時止めオラオラによってしばかれる悲しい存在に…
時平産の夢見の術より、道真公産の夢見の術の方が数段性能が良いあたり、力量についても押して図るべし…
本作含め色々悪役として描かれることが多いが、史実によるといろいろな見解もあるらしい。
高辻 幸一(たかつじ こういち)

五条文子の父親で、太宰府研究に命をかけている人物。
人物はダンディかつユニークな性格で、飄々として掴み所がない。
自分を下に見せることがうまく、わざと道化を演じているフシがある。
(とはいえ浮気理由で離婚していたり、研究以外の私生活はダメダメだったりと、本当にだめなところはとことんだめなのだが)
自力でループ世界が夢であると気づいている通り、実際切れ者で、作中では一番的確に助言をくれる頼れる存在。
勿論文子のためでもあるが、そうでなくとも太宰府やPCたちのために一肌脱げる熱血漢的な側面も持ち合わせている。
裏でいざというときは文子が犠牲になる代わりに自分が犠牲になることはできないか思案しているが、おそらく血が薄いため無理な賭けになる、かつ災いを避けて自分が犠牲になることが無理という袋小路の思考に陥っている。
(文子は五条家と高辻家のスーパーサラブレットのため、確実な召喚を行える血縁条件に足り得た)
どこか達観して、全て知っているような立ち振舞いに見えるのは、プロット当初、彼を道真公当人にする案があった名残。