廃病棟(1F)
話に聞いた廃病棟。周囲に人気はまったくない。特に立入禁止の仕切りなどもなく、問題なくなかに入ることができる。
廃病棟、と言われるとどれだけおどろおどろしい場所かと思っていたが、中は思ったよりも小綺麗になっている。
そして、本来使われていないはずだが、足元が見える程度に照明がついている。

🟡KP向け:一階の探索について
流れ的には先に医院長室に行って、その後廃病棟に行くことを想定していますが、先にこちらに来ても進行上は問題ありません。
ここでの探索は、部屋4に入った時点で、内久保に電撃銃を撃たれ、自動的に気絶になります。
部屋3は特殊なカウンセリングルームのため、マジックミラーかつ防音となっており、完全なふいうちになります。
不意打ち後は、治療の上B1F部屋1に寝かされた状態から再開します。
🟡KP向け:資料の文字化けについて
文字化け資料は、内久保に電撃銃を撃たれることで読めるようになります。
獲得した資料はB1Fの部屋5で再入手できるので、その際は文字化けしていない情報を再度渡すようにしてください。
6-1A. 部屋1(1F)
ここはちょっとした休憩室だろうか。
古びたソファーとローテーブルが置いてある。
・机
◆探索箇所:机
机を見やれば、無造作にポツリと一冊の冊子が置かれている。
▶発見:<医院長の日記・下巻>
🔽文字化け初見時
�の部分は印刷物なのだが文字化けのようになっていて読めない。
さらに、その文字は見ている今もなお常に変化を続けている。
このような自分の目を疑いたくなるような光景を目にしたあなたはSANチェック。
SANc:1/1D3
🔽日記を読む
ところどころ読めないところだが、なんとなく内容は察しがつく。いや、ついてしまう。
雛と呼ばれるものを用いた人間のクローニングと臓器移植。
今、自分たちは触れてはいけない深淵に触れてしまっているのではないだろうか…
馬鹿げている、しかしもう言と切り捨てるにはあまりに真に迫っている。
このような非日常的、非現実的な情報に触れてしまったあなた方はSANチェック。
SANc:1/1D3
6-1B. 部屋2(1F)
ここはちょっとした資料置き場のようになっている。
本棚が乱立し、所々まだ資料が残されている。
この中から有用そうな資料を探すのは少し骨が折れそうだ。
・本棚
◆探索箇所:本棚
通常成功!
▶発見:<雛ヒトクローン調査録>
▶発見:<精神寄生体調査録・上巻> ※名前は伏せること
判定失敗...
▶発見:<精神寄生体調査録・上巻> ※名前は伏せること
🔽精神寄生体調査録を読む
それは異質な資料だった。
すべての文字が意味を理解できず、またその文字は見ている今もなお常に変化を続け生き物のようにうごめいている。
このような自分の正気を疑いたくなるような光景を目にしたあなたはSANチェック。
SANc:1/1D5
🔽雛ヒトクローン研究録を読む(文字化け初見時)
�の部分は印刷物なのだが文字化けのようになっていて読めない。
さらに、その文字は見ている今もなお常に変化を続けている。
このような自分の目を疑いたくなるような光景を目にしたあなたはSANチェック。
SANc:1/1D3
6-1C. 部屋3(1F)
ここはカウンセリングルームだろうか?
テーブルと、ソレを挟むように向かい合った椅子が設置されており、部屋4側の壁には大きな鏡が設置されている。
・鏡
◆探索箇所:鏡
巨大な鏡だ。
壁一面を覆わんばかりのサイズがある。
通常成功!
判定失敗...
🔽聞き耳をした場合
何も聞こえません。
この部屋は、特殊なカウンセリングルームのため、防音になっています。
実際には部屋4にすでに内久保がおり、探索者の動向を見守りながら電撃銃を構えています。
6-1D. 部屋4(1F)
部屋に入った瞬間、ガクリと膝が崩れる。
そして次の瞬間、体全体に強い衝撃が走る。
思わず地に伏し、今にも意識を手放しそうになる。
ダメージ:1D10
通常成功!
「まさかここまで…どうしたものか…」
最後にそんな声が聞こえた。
判定失敗...
通常成功!
その顔はいかにも疲れた中年男性と行った風貌だった。
🔽成功したのがPC1だった場合
彼は、妹の担当医「内久保和真」その人だった。(秘匿メッセージ)
判定失敗...
廃病棟(B1F)

🟡KP向け:地下一階の探索について
気絶後、部屋1に運ばれて目覚めた後、モモカに救出されます。
どこで目覚めたかは最初PC達には秘匿しておくようにしてください。
モモカは内久保に秘密裏に<鍵開け70>(廃病棟内は経験があるため自動成功)を習得しており、地下探索に必須になります。
また、モモカは癇癪を起こすシロをなだめるために<精神分析50>を習得しているので、発狂時は役に立ててください。
🟡KP向け:上階(1階)にあがろうとする場合
モモカの方から針金かなにかがないと鍵が開けられないことを伝えてください。
針金はB2Fで入手可能のため、必然的に地下2階まで探索を行うことになります。
🟡KP向け:警察等に連絡を取ろうとする場合
電撃銃を浴びたため、携帯電話などは壊れてしまっています。
あとで内久保に弁償してもらってください。
荷物は没取されていませんが、ピッキングツールなどを持っていた場合は、溶けて使えなくなっている事にしてください。
6-2A. 部屋1(B1F)
気がつくと、あなた方は見知らぬベッドに横たわっていた。
体はひどく重いが、動くのには問題なさそうだ。
周囲はコンクリート打ちっぱなしの壁に囲まれた無骨な部屋のようだ。
HP回復:1D5+5
・自分の体
・ベッド
・ドア
◆探索箇所:自分の体
改めて自分の体を見やる。
手足などを中心に包帯の類が巻かれている。
通常成功!
また、治療がすでに施されており、それが丁寧かつ適切なプロの仕事であることがわかる。
判定失敗...
◆探索箇所:ベッド
通常の病院のベッドより若干質が良いようにも思える。
君たちが寝ていた2つのベッドに加え、もう一つベッドがある。
(※八起恵美を保護していた部屋のため、VIP待遇でベッドも質がいいです)
通常成功!
判定失敗...
◆探索箇所:ドア
病院の施設とは思えないほど、頑強そうな扉だ。
開けようとしても、鍵がかかっているようでびくともしない
通常成功!
判定失敗...
※探索終了後
ギィ、と重苦しい音を鳴らしながら、出入り口の扉が開く。
慌てて身構えたものの、そこには意外な人物がいた。

「ふたりとも…どうしてそこに…」
「それに、怪我…大丈夫?」
▶モモカとのRP例

「どうして二人が…」
「なんでここが…」
「…!」
「どおして、危ないよ…」

「えーっと、病院の中…?だと思う」
「ここは地下」

「先生に言われて…」
「二人に迷惑がかかりそうだったから…」
「ごめんなさい…」

「これ…」
「この部屋の鍵くらいだったら、これで行ける…」
そう言って彼女はヘアピンを取り出す。

「多分行ける…」
「けど、外出る…上の鍵は、針金か何かがいる」

「私は、大丈夫…」
「それより…二人が…」

「先生は…先生…」
「私達を…作った人?」

「誰かがここに入る音がしたから…」
「でも、声が聞こえなくて気になって…」

「その人が…どんな気持ちかとか、近くにいたら…ちょっと聞こえる」
「でも、二人…声が聞こえなくなってる…どおして…?」

🔽部屋から出る
部屋から出ると、そこには最低限の照明が灯された薄暗い廊下が広がっていた。
窓一つ無いその場所は、パッと見、地下のように思える。
※MAP開示
6-2B. 部屋2(B1F)
先ほど自分たちが寝かされていた部屋と同様の作りの部屋だ。
打ちっぱなしのコンクリートの壁に囲まれ、ベッドがぽつりぽつりと3つ置かれている。
部屋に入るとモモカが口を開く。
▶モモカとのRP例

「ここ…私達の部屋…」
「多分、なにもない…」
「私と…シロと、ハジメの部屋」

「私の…一応、お姉ちゃん?」
「私より先に…ここから逃げた」

「わからない…」
「一年くらい前に…すごい音したとき、いなくなって…それっきり…」

「私の…お姉ちゃん」
「色々知ってて、外のこととかも…ハジメに教えてもらった」

「ハジメ…もういない…」
「もう…」
そう言うと彼女は目尻に涙を浮かべる。

※実際はハジメの脳缶はまだ生かされていますが、モモカは知りません
※ハジメははじめにとっての夢の中の分身体のような存在で、脳波をリンクさせている存在です
・ベッド
◆探索箇所:ベッド
通常の病院で使われているベッドに思える。
自分たちが寝かされていた部屋同様、ベッドが3つある。
通常成功!
手入れ自体はされていたようだが、天日干しなどはされていないのか、湿った印象を受ける。
自分たちの寝ていたベッドに比べると作り、手入れともに質素に思える。
判定失敗...
6-2C. 部屋3(B1F)
先ほど自分たちが寝かされていた部屋と同様の作りの部屋だ。
打ちっぱなしのコンクリートの壁に囲まれ、ベッドがぽつりぽつりと3つ置かれている。
▶モモカとのRP例

「ここ…違うグループの子の…部屋」
「その子達、私達より先に…いなくなった…」
※モモカは違うグループの子とは交流がなく、また声も聞こえない同士なので何も知りません
・部屋全体
◆探索箇所:部屋全体
部屋1、部屋2と違い、若干の埃っぽさとカビ臭さを感じる。
しばらく使っていないのかもしれない。
通常成功!
そこには 96、97、98 と小さな女の子の字で書かれていた。
判定失敗...
6-2D. 部屋4(B1F)
🟡KP向け:この部屋の用途について
この部屋は雛ヒトクローンの死体処理施設です。
階下にはウボ=サスラ(分体)がおり、レバーを引くことで鉄扉が開き、下に落とされる仕組みになっています。
PLがふざけて鉄の扉に乗ったりしたら、階下から強い力で叩くなどしてちょっと脅かしてあげるのが良いかと思います。
今まで以上に無骨な印象を受ける部屋だ。
部屋には何も置かれておらず、ただ床に鉄の扉のようなものが備え付けられている。
そして部屋にすぐ入ったところには、レバーのようなものが。
この部屋は一体…?
・鉄扉
・レバー
◆探索箇所:鉄扉
ゴツく、威圧的な鉄扉だ。
階段などに続く扉というより、ライブステージなどで直接上下に昇降するための用途を思い浮かべる。
両開きで、これが開くと真下につながる構造になっていそうだ。
通常成功!
それもかなりの量だ。
この扉に何が載せられていたのか、嫌な想像をしてしまったあなたはSANチェック。
SANc:1/1D3
判定失敗...
SANc:0/1
通常成功!
どれだけの血がここで流れたのだろうか…
更には下から何やら獣の唸り声のような音に加え、巨大な何かが擦りまわるような音が聞こえる。
下にいる巨大な何者と大量の血を関連づけ、嫌な想像してしまったあなたはSANチェック。
SANc:1/1D4
判定失敗...
そのにおいに若干嫌な想像をしてしまったあなたはSANチェック。
SANc:0/1
◆探索箇所:レバー
ゴツく、固そうなレバーだ。
引くには相応の力が必要そうだ。
🔽レバーを引く
STR50との対抗。
※以下、レバーを引いた場合
ガチャリ、とレバーを引く音があたりに響く。
そしてギギギと重い音を軋ませ、鉄扉がゆっくりと開く。
鉄扉は階下に直接つながっていそうだが、暗くてその中を伺うことができない。
しばらくの静寂の後、まず匂いが漂ってくる。
ソレは血の生臭さと、獣の体臭を足して数倍濃くしたような匂いだ。
思わず吐き気を催すほど強烈なその匂いに、自分たちは地獄の釜の蓋を開いてしまったのではないかという後悔の念が湧いてくる。
続いて聞こえてきたのは音。
何か、巨大な何かが地を這うような、そして大量のなにかがうごめくような、そんな形容しがたい音。
この下に一体何がいるというのか、背筋が凍り、脂汗がとめどなく流れてくる。
SANc:1/1D4
※なおも扉を閉めない場合
そして、やがてそれは現れる。
階下から突然タコの触手のようなものが這い出てくる。タコのようとその太さは人間の胴体ほどもある。
それは、何かを探っているようだ。
探る、探る、探る。しかしなにもないと気がつくと、ソレは、地面をドゴンと一度たたき、スルスルと階下に戻っていく。
叩かれた地面はコンクリートであるにも関わらず、大きく破損してしまっている。
一体アレは何だったのだろうか。
もしももっとあの扉の近くにいたら?もしもあの触手がこちらに気づいていたとしたら?
今ごろ自分たちはどうなってしまっていたのだろうか。
そんなことを想像してしまい、血の気が引く…
異質な生物?と遭遇してしまったあなた方はSANチェック。
SANc:1D3/2D3
※万一ここから階下に降りようとする場合
おりた時点で捕食されロストになります。
KPはそうならないように誘導しつつ、ドアに捕まる判定、持ち上げる判定など最後のチャンスをあげてください。
※ライトなどで照らして覗き込む場合
地下2階部屋2の、部屋3を覗き込むのと同じ処理を行ってください。
ウボ=サスラの分体を直視することになり、大幅なSAN値減少になります。
6-2E. 部屋5(B1F)
🟡KP向け:資料について
この部屋では、探索状況にかかわらず1Fと医院長室の資料が回収できます。
また、これ以降、文字化けしていた資料が普通に読めるようになるため、扱いに注意してください。
頻繁に使われているのか、埃っぽさのようなものは感じない。
・デスク
・本棚
◆探索箇所:デスク
乱雑に資料が放られているのを見つける。
そこには、君たちがこれまで持っていた資料も含まれている。
▶再発見:<カルテ><医院長の日記・上巻/下巻><精神寄生体調査録・上巻><雛ヒトクローン研究録>
※事前に入手していたもののみ再入手することができる
※内容は同一だが、読める文字が増えている
🔽カルテ初見の場合
🌐秘匿情報(PC1)
カルテ(上段)の女性に見覚えがある、間違いなく君の妹だ。
🌐秘匿情報(PC2)
カルテ(下段)の女性に見覚えがある、間違いなく君の義姉だ。
🔽医院長の日記・下巻初見時
難しい用語が多いが、なんとなく内容は察しがつく。いや、ついてしまう。
雛と呼ばれるものを用いた人間のクローニングと臓器移植。
今、自分たちは触れてはいけない深淵に触れてしまっているのではないだろうか…
馬鹿げている、しかしもう言と切り捨てるにはあまりに真に迫っている。
このような非日常的、非現実的な情報に触れてしまったあなた方はSANチェック。
SANc:1/1D3
🔽雛ヒトクローン研究録を読む
当たり前のように使われるクローン、移植、破棄といった言葉に寒気がしてくる。
しかもこの資料のとおりであるのであれば、相当数のクローンが生み出されていたようだ。
これほどまで常軌を逸した規模の研究をしながら、一体何をやろうとしていたのだろうか。
いまだ見えない研究の深淵を想像してしまったあなた方はSANチェック。
SANc:1/1D3
君たちが顔を青くするその後ろで、資料を覗き込んでいたモモカもまた、君たち以上に顔を青くしている。
🔽精神寄生体調査録・上巻を読む
※文字化け状態の資料を読んでいた場合
その資料には見覚えがあった。
先程までは、文字化けのようになっていて、ろくに読めなかったはずの資料だ。
今になって何故急に読めるようになったのか…
いや、そんなことよりも…
※共通情報
精神寄生体?意識への介入?人類がこの生物の奴隷?どうゆうことだろうか…
研究の全体像が見えてくるほど、本能がこれ以上知ってはいけないと警鐘を鳴らしてくる。
人類の真実に一歩近づいてしまった君たちはSANチェック。
SANc:1/1D5
◆探索箇所:棚
沢山の資料が詰め込まれた本棚がいくつか並んでいる。
資料の内容は医学書が主なようだが、どれも分厚く難しそうだ。
通常成功!
▶発見:<精神寄生体調査録・下巻>
判定失敗...
🔽精神寄生体調査録・下巻を読む
先ほどの資料の続きのようだ。(上巻を先に読む前提)
当たり前のように出てくる、精神寄生体、感応器官、精神感応能力という単語に、常識がガンガンと崩されていく。
SANc:0/1D2
6-2F. 部屋6(B1F)
デスクと本棚の並ぶ研究室的な雰囲気だが、どうも薄暗く不気味さを感じる。
ここに来て始めて廃病棟にいる、ということを実感するかもしれない。
・デスク
・本棚
◆探索箇所:デスク
デスクの上には所狭しと、乱雑に紙がチラばめられている。
通常成功!
▶発見:<呪文メモ>
判定失敗...
🔽呪文メモを読む
このメモは呪文…だろうか?
今までの資料を読むに、これも妄言と笑い飛ばすことはすでに難しい。
読んでみると頭の中に直接文字が刻まれるような嫌な感覚に陥る。
呪文<精神寄生体の活発化>と<女王の命令>を獲得。加えてSANチェック。
SANc:1/1D4
◆探索箇所:本棚
本棚をよく見ると、医学書の類より、オカルト的な本が数多くあるように感じる。
一体何の研究をしていたのだろうか…
通常成功!
判定失敗...
廃病棟(B2F)

🟡KP向け:地下二階の探索について
部屋3にいるウボ=サスラの分体を見るか否かでSAN値の減少幅が大きく変わります。
現状でSANがきつい場合は、不気味さを強調するなどしキーパリングで誘導すると、完走がしやすくなります。
🟡KP向け:扉の鍵について
地下二階の扉は、すべて鍵がかかっており、モモカにあけて貰う必要があります。
以下、共通の描写例。
扉を開けようとするが、あかない。どうやら鍵がかかってしまっているようだ。
「まかせて」君たちが困っていると後ろからモモカが声をかけてくる。
どこから取り出したのかヘアピンをガチャガチャすると、1~2分で扉はひらく。
「どうぞ…」こころなしかドヤ顔でモモカは君達にドアの先を進める。
6-3A. 部屋1(B2F)
今まで以上に薄暗い部屋で、部屋の中はパッと見よくわからなかった。
しかし目が慣れてくると、徐々に部屋の全貌がつかめてきた。
そこは棚が壁際に並べられた物置のような部屋だった。
棚には、数は多くないが、ところどころに、サッカーボール大ほどの直径の銀色の缶が並べられている。
・ 缶
◆探索箇所:缶
恐る恐る、金属的な表面の隙間、透明になっている部分から缶の中身を覗く。
その中にあったのは脳みそだった。
通常成功!
形状、大きさ的に人間のものと見て間違いないだろう。
SANc:1/1D3
判定失敗...
君たちが缶を色々調べていると、どこからか声が聞こえる。
「おにい…ちゃん/おねえ…ちゃん?」
慌てて見やれば、そこには感の中で唯一緑色に発光している缶を認めることができる。
▶ハジメとのRP例

「お兄ちゃん/お姉ちゃん、やっぱり お兄ちゃん/お姉ちゃん だ…」
「あれ、でも お兄ちゃん/お姉ちゃん がどうして夢に…?」

「 お兄ちゃん/お姉ちゃん …モモカと…シロを助けてあげて…」
「あの子達、まだ楽しいことを何も知らないの…」
「私にしてくれたみたいに…どうか笑顔にしてあげて…」

「ごめん…なんだか…眠くなってきちゃった…」
「またね、 お兄ちゃん/お姉ちゃん …」
※ハジメの脳を通してはじめが話しており、本人はこれを夢と思っていて大したことは知りません
※少し話をするとつかれて休眠に入ってしまいます(死んではいません)
▶PC1のみ
妹の声のする脳と話すという奇妙な経験をしてしまったあなたはSANチェック。
SANc:1/1D4
6-3B. 部屋2(B2F)
そこは所狭しと色々な機械が置かれた奇妙な部屋だった。
機械は数多くあるが、一部は壊れてしまっているように思える。
また、3の部屋側には窓ガラスがあるが、その先は暗くてよく見えない。
・機械
・窓ガラス
◆探索箇所:機械
見たこともないような機械たちだ。
調べるには相応の知識を必要とするだろう。
通常成功!
かろうじて分かるのは、ここから何かが排出されていたこと、そしてもう機械を修理するのは不可能であることだけだ。
判定失敗...
◆探索箇所:窓ガラス
やはり暗くてよく見えない。
よくよく探すと、窓の横に照明用のボタンが有るのを見つける。
🔽ボタンを押す
そこ、すなわち地球創造の灰色の混沌の中で、無垢の塊が粘液と蒸気の中で横たわっていた。
頭もなく、器官や手足もないその塊は、じくじくした側面からゆっくりとした波嬢運動によってアメーバのようなものを吐き出していた。
それらはどれ一つとして同じ形はなく、中には多種多様な生物のあらゆる器官が見て取れた。
しかしそれらはすぐに触手に掴まれ、再び母体へと吸収されていく。
そしてそれらは光を浴び、君たちの存在に気がつくと、身体にいくつもの目を作り、一斉にこちらを見つめてくる。
地球生物の祖、ウボ=サスラの分体を見てしまったあなた方はSANチェック。
SANc:1D4/5D5
触手に生えた目はこちらの方を見つめ、べた、べた、べたと、いくつかの触手をこちらに伸ばしては窓ガラスに阻まれている。
業を煮やしたのか、化け物はその巨体を徐々にこちらの方にすべらせ、徐々に近づいてくる。
君たちの本能が警鐘を鳴らす、急いでここから立ち去れと。
6-3C. 部屋4(B2F)
そこは手術室のようにベッドが並んで並べられた周りに、見たことのない機械が色々と並べられた変わった部屋だった。
・部屋全体
・機械
◆探索箇所:部屋全体
雑多に物が置かれた部屋をよく見てまわる。
よくわからないものも多いが、見慣れた工具なども見つけることができた。
また、その中に針金を見つけることができる。
◆探索箇所:機械
様々な機械が所狭しと並んでいる。
いずれも見たことがないものばかりで、どこか不気味さを感じてしまう。
通常成功!
それは手術台のような台座の、頭部に当たる部分に大型のヘルメットのようなものが設置された変わった機械だ。
よく見ればそのヘルメットには、サッカーボール大ほどの直径の穴が空いており、何かを差し込むようになっている。
判定失敗...
脱出・対峙
🟡KP向け:内久保 和真との対峙
施設から出ようとすると内久保 和真と鉢合わせて対峙することになります。
ここでは色々と質疑をした後に、交渉するか戦闘するかの選択となります。
内久保は探索者目線では悪人な側面もありますが、モモカ等クローンの扱いを除けば善良な人間です。
KPはそのことを踏まえ、RPをするとよいでしょう。
🟡KP向け:精神寄生体の話題について
・内久保は頑なで、精神寄生体陰性であることを示す(精神寄生体の名前を出す)まで君たちへの態度を軟化させることはありません
・それも害意があるわけではなく、あくまで君たちをこれ以上巻き込んで傷つけまいとする行動です
6-4. 内久保との対峙
針金を入手したあなたは、一階の部屋4の鍵をあけて、外を目指す。
出口は目前、浮かれるあなた達を嘲笑うように、ウィンと軽快な音がなって入口のドアが開く。
そこにはPC1には見慣れた顔の人物が居た。
内久保 和真(うちくぼ かずま)、あなたの妹の主治医にして、この病院の医院長。
彼は君たちを認めると、酷く落ち着いた様子で一息つき、コツコツと歩み寄りながら話しかけてくる。

「…!いったいどうやって…」
「101…そうか、鍵を…迂闊でしたね…」

「{PC1名前}さん、私は外科医だから人を切るのには慣れてているが、人を撃つことには不慣れでしてね」
「どうか”ソレ”をおいて、何もかも忘れて日常に帰ってくれないでしょうか…」
「君を二度も撃ったとなれば、いよいよはじめ君に立つ瀬がない…」
そういう彼の手にはまるでおもちゃのような銃が握られ、銃口をこちらに向けている。
どうにも脅しにしては迫力のない絵面なのだが、どうしてか君たちはそれを見ると寒気が止まらない。
▶精神寄生体に触れるまでの会話RP例
「言葉が通じる状態じゃなさそうですね…」
「まず、深く、深く深呼吸してください…」

※内久保の<精神分析>によって発狂が一時的に解除されます、この場は自動成功として扱ってください
「あなた方に話せることはありません」
「"ソレ"をおいて大人しく帰っていただけないでしょうか」

「残念ながらソレはどこまでいっても人ではないのです…」
「あくまで人の因子を持ち、人を模しているだけの別の生命体です」
「ラットと同じです、気持ちはわかるがあまり思い入れを持つべきではないでしょう」
「それに、地下のあれを見たんじゃありませんか?」

「人の尊厳を取り戻すためです…」
「と言っても君たちには理解できないでしょうが」
「いえ、バカにしてるわけではなくてですね…なんと説明すればよいのか…」

「納得頂く必要はありません」
「しかし、私は人類の尊厳を取り戻すためであれば、人死に以外すべてを許容する覚悟で挑んでいます」

「何を言っているのですか…?一君は心拍も脳波も異常ありませんよ…?」
「いえ、起きない事自体が以上ではあるのですが…」
「地下にあるのはここのクローンのものだけのはずです」

※内久保ははじめとNo.001の脳波がシンクロしていることに気づいていません
※脳波のシンクロについて指摘すると、熟考の上その可能性に気づきます
「そちらについては、弁償いたします」
「傷については、残らないように治療させていただきました」
「万一、痛むようでしたらまたお越しください」

「まってください、なぜ君たちがその単語を発せられる?」
「君たちは精神寄生体陽性のはずだ」

▶精神寄生体について触れた後のRP例について

「信じられない…それもふたりとも?一体何がどうして…」
「わかりました。対話が君たちの意志だというのであれば話を聞きましょう」

「特に{PC1名前}君には色々と話す義務がありますから…」
「私の目的は全人類に巣食う精神寄生体の根絶し、人類の自由意志を取り戻すことです」
「そのためには研究が必要で、私が知る限り唯一の生まれながら精神寄生体を持たない」
「{PC1名前}君の妹のクローンを利用する必要がありました」

「受動意識仮説というものをご存知でしょうか」
「人間の行動は行動→意識の順で決まり、行動に対して意識が後付されるというものです」
「つまりは無意識で行ったことに対し、後付で意識が意味をつけるのですが」
「精神寄生体はこの無意識下の行動を操ることができます」
「つまりは人類は精神寄生体がその気になれば自由にその行動と意志さえ操られてしまうということです」

「精神寄生体とは、さしずめ教習車に同乗する教官のようなものです」
「いつブレーキを踏むかもわからないおそろしい存在」
「そして、ブレーキを踏まれたとしても、それを自分の意志で踏んだと錯覚してしまう」
「そのブレーキを、大切な人を守るとき、自らの尊厳を守るときに踏まれたとしても」
「あなたはそれを大したことがないと言えますか? 」

「どうすれば寄生体に寄生されずに済むのかをまず考えていました」
「そして追って寄生体に干渉する方法として、思念波のやり取り…」
「つまるところテレパシーについて研究していました」

「残った最後のクローンだからです、地下の機械を見ませんでしたか?」
「もう一人のクローンが脱走する折、クローニングの機械が壊されてしまいました」
「これ以上クローンは作れない、かといってはじめくんを研究に使うわけには行かない」
「今となってはソレが研究できる最後の個体なのです」

「見た目、言動は人間に似通っていますが、あくまでソレらは人間とは違う生物です…」
「地下のアレを見ましたか?元はあの生物と同じ、我々の理解の及ばざる生き物です」
「それ故あまり愛着を持つのは…いや、これは医者としての性分ですかね。君たちに強制するのは違うでしょう」
「わかりました、以後気をつけます(以後、ソレではなくNo.101呼び、それも指摘されればモモカ呼び)」

「アレは不思議な個体でした。クローンとしては最初にして一番完璧だったかもしれない…」
「ただ、残念なのは雛の特性をあまり持たず、思念波の覚醒には至りませんでした」
「だからドナーとしました。その後脳の研究のため脳だけは残させてもらいましたが」

「あくまではじめ君とNo001はただの遺伝子提供者とクローンに過ぎません。」
「いや、仮に…一君にも微弱な思念波コントロール力があったとすれば…二人の脳が同調して…?」
「いや、しかし…そんなことが(ぶつぶつ)」

「すでにご存知かもしれませんが、”ソレ”と同じ雛クローンと呼ばれる人型のクローンの臓器を用いました」
「前院長が秘密裏に利用していた技術ですが、そちらに関しては経過観察も十分。危険性はないはずです」
「彼女を救う手立てが他になかったとはいえ、黙ってそのようなものを移植したことについては謝罪します」
「このとおりです」そう言って彼は深々と頭を下げる

「あれは原初の生物と呼ばれるものの分体です」
「あらゆる生命の元と呼ばれるあの怪物を利用することで、擬似的に人間のクローンを作り上げていました」
「体構造は人間と似通っているが、成長速度や回復力等人間との乖離も大きく…」
「あくまでソレらは怪物の一部と言えるでしょう」

「前院長は、地下の怪物を使って臓器のクローニングを行っていました」
「その対価として違う化け物に、重病患者の脳を貢いでいたのです…」
「私はソレを察知し、化け物を打倒しました、前院長はすべてを私に話し、機材も医院も全て私に託した」
「そんなところです…」

「彼女は震災の折、心神喪失状態でここをさまよっていた所を保護しました」
「彼女は生まれ持って思念波を使う術にたけていたようでして…」
「精神感応力の強い彼女を一般病棟で治療するにはリスクが大きかったため」
「私は秘密裏に彼女をここにとどめ彼女を治療する道を選びました」

「精神寄生体のことを口外できない以上、彼女の精神感応能力とその影響、危険性も人に説明できませんでした」
「つまり、彼女を助けるためには私が秘密裏に治療する他に選択肢がなかったのです」
「その間、心身に影響のない範囲で研究データは取らせてもらっていましたが…」

「そうかあなたが…カウンセリングの中、うわ言のようにつぶやくその名を聞いたことがあります」
「謝って済むことではないですが、あなたにも謝らなければならないでしょう…申し訳ありませんでした」
「信じてもらえないでしょうが、私は彼女の心身が正常化し、身元が分かれば送り返すつもりではあったのです」

「…No.99の脱走とともに消えてしまいました…出歩ける状態ではなかったのですが…」
「No.99が連れ出したか…あるいは彼女がNo.99を連れ出したのか…」

「そこまではわかりません…」
「しかし彼女の力は仮に使いこなせたとしたら精神寄生体を持つ人類にとってまさに脅威です」
「廻りの人間の思考の内を知り、更にはその人間をある程度操ることすらできる…」
「人類の支配者になることすら叶うでしょう…」

「…そのことは君たちはしるべきではありません」
「ただ、人ではないとはいえ生命です」
「医者として、人として、敬意を持って接すると誓いましょう」

「…もって今月一杯といったところです」
「ソレは頑丈なので、生活に支障をきたしていませんが、末期患者であることに変わりありません」
「クローン装置も壊れた以上、移植も絶望的と言えるでしょう」


「わかっていただけたでしょうか…」
「私は人類を精神寄生体から解放するため、人類の自由意志を取り戻すために戦ってきました。」
「雛クローンNo.101は今や私に…いや、人類に残された最後の手がかりなのです。」
「君たちは精神寄生体から解放されたとはいえ、大多数の人間はまだその自由意志を支配されたままです。」
「どうか彼らを救うためにも、私に力を貸していただけないでしょうか…?」
「それさえ済めば、私のことは如何様にしてもらっても構いません。」
→話し合いを選ぶ:交渉へ
→戦うことを選ぶ:戦闘へ
内久保との交渉
🟡KP向け:説得について
RPに応じて補正を入れてください。
彼の目的は精神寄生体の根絶であり、そのために納得性のある方法や、利のある行動を提案してくれたら、融通の効く人間です。
また、彼は現在人類の解放を一人でなそうとするあまり切羽詰まっている状態ですが、PC達に確かな罪悪感があり、そのことを突けば交渉にプラス補正が入るかもしれません。
▶交渉材料
・No99、姉を連れ戻す
・妹(はじめ)が目覚めた際に協力を約束する
・PC達自身が協力を約束する
・命に関わらない範囲でNo101(モモカ)の実験への協力を認める
※彼は精神寄生体を持たないため、モモカや呪文での命令やMP吸収は効かず、むしろ逆効果となることに注意してください
判定成功!
「こちらとしても、せっかく出会えた自由意志を持つ人間と敵対するのは本意ではありません」
判定失敗...
🔽交渉に成功した場合

「改めて、私からの絶対条件は3つ」
「ひとつ、あなた方2人の精神寄生体根絶への協力」
「ふたつ、あなた方がモモカと呼ぶ、えーそちらの少女…の危険が及ばない範囲での実験への協力」
「みっつ、女王体患者…つまりあなたのお姉さん、及びNo99の現状把握、及び可能であれば奪還」

「特に3つ目ですが、私は先方に警戒されており清雨会本部に近づくことすらままならない状態です」
「どうかこちらの調査をお引き受けいただけないでしょうか」
「ちょうど明日、外部で大きな会合があるらしく、本部のほうが手薄になるとの情報を得ています」
「見学、ということで内情視察をしてきていただけないでしょうか」

「彼女が地上波の電波を使い、良からぬことを企てているのは間違い有りません」
「彼女が出現してからの慢性的な疲労症状を訴える患者の数、強迫性障害を訴える患者の数、どちらも異常な数値です。」
「企みが取り返しがつかなくなる前に、何としてでも止めなければ…」
>PC達返事&RP

「ありがとうございます」
「改めてですが、数々のご無礼ご迷惑をおかけしました件、謝罪させていただきます。誠に申し訳ありませんでした。」
「そしてどうか、寄生体という病を人類から根絶するために、お力を貸してください。どうか…」
内久保との戦闘
KP向け:戦闘について
🟡KP向け:内久保のステータス
至って平凡です。
メスを常時持ち歩いているタイプの医者ではないため、電撃銃破棄後は普通に殴ってきます。
・HP :10
・MP :10
・DEX:50
・DB :0
・回避 :25
・近接戦闘:25

「残念だ…」
「せっかく、自由意志を持った人間同士での対話が実現したというのに…」
▶1R目:こちらに向けて電撃銃の射撃
→充電切れにより自動失敗
▶2R目以降:精神寄生体活発化の呪文(精神寄生体陰性と気づいてない場合のみ)
→自動失敗
▶2R目以降:近接戦闘による攻撃
→25%で判定
🔽戦闘に勝利した場合

「ごほっ、やはり…なれないことはするものじゃない…ですね…」
「肝心なときに電池切れとは…まぁ10年も経って初めて使ったのですから、当然といえば当然か…」
その顔はどこか憑き物が落ちたかのような、爽やかな表情にも思える。

「私を…恨んでいますか…?」
「好きにすると良いでしょう、地下のアレに食わせてしまえばあとも残らないはずです」
🔽とどめを刺そうとする場合場合
君は意を決し、悲劇の大元たるその男にとどめを刺そうとする。
すると、一つの影が君たちの間に割って入る。

「なぜ…君がかばう…」

「分からない…でも{PC1呼称}も、{PC2呼称}も、辛そうだったから…」
「二人には…ずっと、笑顔でいてもらいたい…」
「それに先生、ずっと焦ってはいたけど、敵意感じたことない…」

「馬鹿な!私は精神寄生体が居ない!君に私の感情がわかってたまるものか!」

「そんなの…みればわかる…」

「それに、多分…あなたが死ぬとハジメが悲しむ…」
「私の中のハジメがそう言っている気がする…」

「…っ!」
彼女は改めて君たちの目を見て言う。

「{PC1呼称}、{PC2呼称}、お願い」
「この人を許してあげて」
「それに、ふたりに暴力は…似合わない」
内久保の心はすでに折れたであろう。
このか弱い少女の言うことを聞くか、聞かないかはあなた方次第だ。
→内久保を許して話を聞く気がある場合:交渉(自動成功)から合流
→内久保を許すも話を聞く気がない場合:END:101へ
※内久保を殺して処理する場合は SANc:1D5/1D10 のSANチェック
※内久保を殺したうえで、翌日清雨会にいかない場合も、END:101へ
モモカとの帰り道
来たときと同じ道を歩いて帰る。
行きと違うことといえば、2人ではなく3人であるということだ。
問題は色々あるとはいえ、今朝突然見舞われた2つの不幸なニュースの内、一つを解決できた。
このことはあなた達に確かな達成感をもたらすかもしれない。
来たときよりも、晴れ晴れしい気持ちのまま家路を目指す。
▶モモカとのRP例

「来てくれて…嬉しかった」
「ありがとう、ふたりとも」

「シロ…喧嘩別れ、しちゃったけど、私…シロに会いたい」
「それで…なにか、悪いことしてるなら…止めたい…」
「家族、だから…」
「手伝ってくれる…?ふたりとも?」
「二人に出会う前は、たまらなく怖かった…」
「でも今は、そんなに怖くない…楽しい思い出を…沢山、沢山もらったから」
「でも、できれば…死ぬ前に、私も…誰かを、笑顔にしたい…」
「シロや、沢山の人を…」
