共通導入
4-1. 劇団秋公演
🟡KP向け:公演で得られる情報について
赤い靴のミュージカルはシナリオの本筋と関係ありません。
(赤い靴違いで、時間を浪費させるトラップの役割です)
ここでは公演を見る流れを想定していますが、見ずともシナリオは進行できます。
ただし、推奨技能のオカルト技能がない場合、発展情報の「⑧事件生き残り」を調べるのに、公演後の客の会話から得られる「つわどこ」のキーワードが必要になるため、オカルト技能のない探索者にとっては必須のイベントとなります。
(それでも公演自体を見る必要はありませんが)
🟡KP向け:ミュージカルの開始時刻について
ここで無駄にまたせたりすることは本意ではないので、適宜都合の良い時刻にしてもらって大丈夫です。
公演は好評のようで、会場前は沢山の人で賑わっていた。
皆、これから始まる公演やパンフレット等に夢中なようで、あなたのことを気にかけるような人物は居ない。
(公演を見ようとする場合)あなたは当日券を求めて窓口に向かうも、既に完売だそうで入手することは叶わなかった。
どうしたものかと思案していると、下卑た笑顔を浮かべた一人の男性があなたに声をかけてくる。

「お兄さん/お姉さん、チケットご入り用ですかい?」
「どうです?お安くしときますよ?」
普段であれば歯牙にもかけないかもしれないが、今は有事、聞く価値はあるだろう。

「倍率3倍強のレアチケットがなんと5万円ポッキリ」
「お買い得でございますよ?」
🔽値切る場合
判定成功!

「かー、まいったまいった」
「あっしの負けですよ、ほら持ってけ泥棒、2万円でい!」
判定失敗...

「欲しがる人は居ますんで」
「これ以上はまかりませんよ?」
「その気がないなら失礼しますが…」
🔽買わない場合

「けっ、冷やかしかよ」
「しけてやがる」
法外な買い物をせずに済んだが、公演を見るあてもなくなってしまった。
この後、あなたはどうするだろうか?
▶公演が終わるまで待つ場合:4-3. 公演終わりに へ
▶その場を後にする場合 :2~7章のいずれかへ
>PCの返答(購入することを想定)

「毎度!」
「ほい、それじゃお代とチケットと…」
「それじゃあっしはこれで、公演楽しんできてくだせえ!」
4-2. ミュージカル赤い靴
満員のミュージカル会場は、きらびやかなシャンデリアの光に包まれ、期待に胸を躍らせる観客たちで溢れ返っている。
笑い声や会話が飛び交い、まもなく始まる舞台への興奮が場内を埋め尽くす。
豪奢な内装に彩られたホール、ふかふかの赤いベルベットの座席、そしてステージを囲む優美なカーテンが、まるで夢のようなひと時を予感させる。
だが、自分の足元に目を向けると、そこには赤い靴が。靴は徐々に足を締め付け、痛みが増していく。
普段であれば、この華やかな舞台の幕が上がる瞬間を心から楽しみにしているはずだ。
しかし、今は期待に胸を膨らませる余裕などなく、足の痛みに顔をしかめながら、周囲の賑わいとは対照的に一人、じっと耐えることしかできない。
靴が食い込む感覚が増すたびに、頭の片隅では「この痛みさえなければ」と思い続けてしまう。
ステージに視線を移しても、どこか靴に引っ張られるように意識がそれ、素直に舞台を楽しむことができない。
満員の会場で盛り上がる観客たちの笑顔が、どこか遠いもののように感じられるのが、さらにその残念さを際立たせていた。
そうこうしているうちに舞台の幕が上がる。
そして舞台に広がる暗闇が、一筋の光と共に現れる赤い靴で切り裂かれる。
静かに始まる音楽が、物語の不吉な運命を予感させるかのように徐々に高まり、観客を惹きつけていく。
ミュージカル版「赤い靴」では、華やかなダンスシーンとともにカレンの欲望と葛藤が、視覚的にも音楽的にも力強く表現される。
第一幕では、カレンが孤児として厳しい日々を過ごすシーンが描かれる。
貧しい生活の中で、彼女の無垢な心と、赤い靴への憧れが美しいバレエシーンや歌を通じて表現される。
カレンがついに赤い靴を手に入れるシーンでは、舞台が急に華やかになり、彼女が靴を履く瞬間、音楽が劇的に変わり、靴が持つ魔力を暗示する。
中盤の転換点では、カレンが靴を履いて舞踏会に出かける場面がハイライトとなる。
鮮やかな照明とスリリングなダンスが交錯し、カレンの足が止まらなくなり、彼女の意志とは無関係に靴に支配されていく様子が音楽とダンスで視覚的に伝えられる。
ここでは、ダンサーたちの優雅な動きが次第に狂気じみたものに変わり、観客はカレンの心の崩壊を目の当たりにする。
最終幕では、彼女が足を失い、贖罪の日々を送るシーンが繊細なバラードとして描かれる。
カレンの孤独と苦悩が、抑えたトーンの音楽と共に感情的に表現され、天使との邂逅が、光と音楽で幻想的に舞台上に描かれる。
そのビジュアルは観客にとって息を呑むほど美しくも不気味なものとなり、カレンの最期に感極まって涙を流す人まで見られた。
劇自体は素晴らしいものだった。
こんな状況でなければスタンディングオベーションを送っていたかもしれない。
ただミュージカルが終わり、劇場を後にする頃には、胸に残ったのは深い徒労感と絶望の色だった。
赤い靴の呪いを解くため、何か手がかりを得ようと期待して臨んだ舞台だったが、煌びやかに繰り広げられるダンスと音楽の中には、自分が探し求めていたヒントは一切見当たらなかった。
豪奢な演出が続くたび、ほんの少しでも何かが見つかるのではと期待し続けた。
しかし幕が下りるまでの間、靴の痛みと焦燥感が静かに心に染み渡り、時間が過ぎるほどに何も得られるものがないという確信に変わっていった。
会場を後にする観客たちは皆、興奮と満足感に満ちた表情を浮かべているのに、自分だけが取り残されたような虚しさに苛まれた。
4-3. 公演終わりに
劇が終わり外に出る頃にはここに来て2時間の時が過ぎていた。
心には焦燥感が募るばかりだ。
SANc:1/1D3
DEX-5 (6版は-1)
※対象は赤い靴を履いているPCのみ
※DEXは0以下にならない
あなたと違い、他の客たちは口々に公演の感想を語り合っている。
楽しそうに話すそんな人々を恨めしく思っていると、近くにいた二人組の女性客から奇妙な会話が聞こえてくる。

「でもさ、赤い靴で足がなくなるってなんかつわどこみたいだよね?」

「あ、アタシもそれ思った!」
「でもあれって横浜の都市伝説じゃん?流石に関係ないよ」

「そりゃそっか、アハハ」
🔽追いかけて話を聞こうとする場合

「え?なんですか急に…」

「ちょっと見てあの足…絶対やばいやつだって…」
SANc:0/1
※対象は赤い靴を履いているPCのみ
さて、あなたは次にどうするだろうか?
(「つわどこ」について調べる場合は、2-3.情報収集:基礎情報>情報④:赤い靴事件 を参照のこと)
▶赤い靴伝説の被害者の友人にアポを取る場合 :3.友人へ
▶赤い靴のミュージカルを見に行く場合 :4.演劇へ
▶赤い靴童謡に異説を唱える記者にアポを取る場合:5.記者へ
▶赤い靴事件から逃れた被害者にアポを取る場合 :6.怪異へ
▶調査を終えて情報を整理する場合 :7.限界へ