つわどこから逃げ延びた女性

6-1. 逃げ延びた女性と連絡


🟡KP向け:女性のスタンスについて


女性はおしゃべりで協力的ですが、スマホ禁止の職場で仕事中のため休憩時間で話すよう自分の下へ来ることを要求してきます。
仕事中にDMをチェックできたのはちょうどトイレで隠れてスマホを見ている時に通知が来たからです。

件の女性(アカウント名:みたら酒)のアカウントはDMは解放しているようで、そこからであれば連絡を取ることはできそうだ。
話を聞きたい旨を連絡すれば直ぐに返事は来るが、現在バイト中で長くは応対できないため、来たら休憩を取るのでバイト先に来てほしいとのことだった。
地図ピンで示されたバイト先はここから30分ほどの距離にあるとあるビルのようだ。

了承するのであれば、ついたらまたDMしてほしいと連絡がある。
(以降は返信なし)


6-2. バイト先へ


指定の場所につきDMを送ると、数分もしないうちに女性が降りてきた。
(メディア欄などを確認していたらアカウント主当人であることがわかる)

「DMくれた{PCアカウント名}さんっすか?」
「来てもらってすんません、うちスマホ禁止で、さっきはトイレでこっそり見てたんすよ」

そう言って声をかけてきたのは人懐っこい様子の若い女性、歳の頃は大学生といったところだろうか。

「えーっと、つわどこについてっすよね…」
「いやー、あれは今思い返しても身震いがする体験だったっす…」

大げさな身振りを伴いながら女性は語り始める。

「あれはちょうど一月前くらいっすかね…」
「そんときちょうど嫌なことがあって、酒をしこたま飲んでたんすが、ふと海に向かって叫びたくなってっすね…」
「もう夜だったんすが、勢いのままに横浜の〇〇埠頭まで足を伸ばしたんすよ」

「海は暗いわ風は強いわで最悪だったんすが、無事海にバカヤローって叫んで満足したんで帰ろうとしてた所…」
「後ろの方…海しか無いんすよ?そっからつわどこ…つわどこ…って声が聞こえてきて…」
「恐る恐る振り返ると…居たんすよ、そこにやつが…」

そう言って女性は顔を青ざめさせる、なんとも臨場感のある語り口だ。

「今海から上がりましたとばかりに海水を滴らせる大きな影…」
「身長は2mちょいってところですかね、いやもっと大きかったかも…」
「暗がりで良く見えなかったっすが、鱗も生えてたっすかね…」
「ああ、後やたら磯臭くて…でもそれは海だったから…?うーん」

思い出すのに必死なのか、首を傾げながら彼女は続ける。

「まぁ急にそんなのが出たもんだからあーしもうビビっちゃってっすね?」
「そん時ヒールなんか履いてたもんだから足ぐねっちゃって…」
「その場に尻もちついて動けなくなっちゃったんすよ」

「化け物はじわじわ近寄ってくるし、足はひねるし腰が抜けて立てないし…」
「死んだなこれって心のなかでお父さんとお母さんに謝ってたんすが」

ウンウンうなづきながら当時のことを思い返す女性。

「なんか一周回ったら冷静になってきてっすね」
「化け物を良く見たらなんか自分の靴?の方を見て物欲しそうな顔してるように見えたんすよ」
「まぁ表情なんてわかんないんすけど」

「それがなんか小動物的というか、おねだりする子供みたいに見えたもんで、無意識に”どうぞ”って言ったんす」
「そしたら化け物は自分の足に手をかけて、靴だけ脱がすと、それ持って海に帰っていって…」

と興奮した様子で語る女性、自分が如何に刺激的な体験をしたのかを身振りでこれでもかと伝えてくる。

「化け物が帰ってホッとしたら急にまた怖くなってきてっすね」
「足が動かないもんで四つん這いになって急いでそこから帰ったわけっす…」
「あのときは店しまってて靴も買えず帰るまで裸足で、終電逃してタクシー呼ばなきゃならなかったしで最悪だったっすねぇ…」

「とまぁこんな話っす」
「いやー、誰かに話したかったんすが誰も信じてくれないもんで、聞いてもらえてスッキリしたっす」

一通り話して満足したのか、女性はスッキリした様子の笑顔で話を〆る。

「あ、やべ…休憩終わりだ」
「そんじゃすんません、あーしはこのへんで!」
「良くわかんないすが、お役に立てたら幸いっす!んじゃ!」

そう言って軽く挨拶をすると、女性は元きた建物の方へと消えていってしまった。


6-3. 次の調査へ


女性の長話を聞き終えると、いつの間にかここに来てから30分ほど時間が経っていた。
話を聞いているうちは気も紛れていたが、静かになった今急激に足が痛みを主張してくる。

 SANc:1/1D3 
 DEX-5 (6版は-1) 
※対象は赤い靴を履いているPCのみ
※DEXは0以下にならない

ひとまず聞くべきことは聞けた。
痛む足にムチを打ち、次にあなたはどうするだろうか?




▶調査に戻る場合               :2.調査
▶赤い靴伝説の被害者の友人にアポを取る場合  :3.友人
▶赤い靴のミュージカルを見に行く場合     :4.演劇
▶赤い靴童謡に異説を唱える記者にアポを取る場合:5.記者
▶赤い靴事件から逃れた被害者にアポを取る場合 :6.怪異
▶調査を終えて情報を整理する場合       :7.限界