記者への聞き込み

5-1. 記者への連絡


🟡KP向け:記者のスタンスについて


記者は協力意識が低く、たとえ事情を話しても報酬抜きでは取り合ってくれません。
むしろ事情を話すことでふっかける金額を倍増してくることでしょう。
報酬目当てのため、電話口で会話することを良しとせず、直接会うように流れを持っていきます。

見つけた電話番号に電話をすると、行く分かのコール音の後、ぶっきらぼうな男の声が電話口で応える。

「はい、岡崎」
「どちらさまで?」

▶記者岡崎との会話例



PL 名乗る場合

「はぁ、それでご要件は?」


PL 赤い靴の童謡の異説について聞きたいと願う場合

「ああ、あの件」
「取材依頼ってことなら話してもいいですが、ちょっと立て込んでましてね」
「来週の土曜なんてどうですか?お安くしときますよ?」


PL 赤い靴に呪われて急いでいる事情を話す

「赤い靴…あぁ例の都市伝説の」
「へーそうですかい、そりゃお気の毒で」

「つってもこっちもこれから仕事なんでですねぇ…」
「仕事の穴埋めてくれるってんなら考えますが」


PL 会って話す条件を聞く

「んーまぁまけといて10万ってところですかね」
「悪いですが、こっちも生活かかってるんでねぇ…」

※赤い靴の事情を話していない場合は5万

PL 値切りの交渉をする

🎲判定:威圧 or 魅力(6版は値切り技能)
判定成功!

「わかった、俺の負けですよ」
「2万でどうです?これ以上はまかりません」

※赤い靴の事情を話していない場合は1万
判定失敗...

「さっきも言いましたがこちらもおまんまがかかってますんで」
「これ以上まかりませんよ」


PL 会う約束をつける

「お急ぎですよね?」
「それじゃ30分後、〇〇で待ち合わせでどうでしょう?」

と、都内の喫茶店の場所を指定してくる。
そこであれば30分で到着できそうだ。


5-2. 待ち合わせ場所へ


<30分経過>

指定された場所につくと、如何にもフリーの記者然とした男が新聞を広げて4人席に一人で腰掛けていた。
彼はこちらに気がつくと、手を上げてこちらを迎え入れる。

「どうも」
「おたくでしょ、電話くれたの」
「お足元も悪い中良くいらっしゃいました、へへ」

彼はあなたの足を見ながらヘラヘラと薄笑いを浮かべると、手で着席を促す。

「さて、じっくり話したいところですが、お時間もないようなので手短に行きましょうかい」

そう言うと彼はテーブルにいくつかの資料を並べだす。

「赤い靴の童話には、そもそも少女がアメリカに渡る予定自体がなかったっていう説もありましてね」
「じゃあなぜそんな突飛な嘘が生まれたかって話なんですよ」
「母親を安心させるためにしちゃ、雑な嘘だと思いやせんか?」

「これは少女の居た施設の職員が死に際に残した証言なんですがね」
「少女は孤児院で死んだのではなく、化け物に連れられて横浜の海に帰ったっていう話なんですよ」
「それをごまかしていくうちに”異人さんに連れられていっちゃった”ってことになってしまったってね」

彼は胸元からタバコを一本取り出すと火をつけつつさらに続ける。

「少女が病に侵されていたって話はご存知で?」
「その病なんですが、年を取るにつれて体に鱗が生えてきたり、首元にエラができたりする奇病だったそうでね」
「しまいにゃ足にヒレが生えてきて、お気に入りの赤い靴も履けなくなっちまったらしい」

そう言いつつ彼は数枚の写真を取り出す。
そこには人間の肌が徐々にうろこ状のものへと変化していく過程が段階的に写されていた。
その写真はとても精巧で、とても作り物や合成の類には見えない。
このような不気味な写真を見てしまったあなたはSANチェック。

 SANc:0/1 

「患者のことを考えてあまり大っぴらにはなりませんがね」
「見ての通りこういった症状は現代でもポツポツあるらしいんですよ」
「一種の先祖返りなんでしょうかね」

灰皿にタバコの灰を落としながら男はふーっと一息つく。

「現代でもこんなこと大っぴらにできない」
「ましてや当時なんかこんなこと大っぴらにしようものなら少女の命も施設の運営も危うい」
「職員たちも当時どうしたものかと困り果てていたそうでしてね」

「そんな折、全身鱗まみれの化け物が突然施設に訪れて、少女を連れて帰ると迫ってきたそうな」
「少女は泣いて抵抗したが、施設のものは化け物に手出しが出せず、それを黙って見送ってしまったらしい」
「そうして残されたのが赤い靴…ちょうどあんたさんが履いているようなね」

そう言って彼はあなたの足元を指し示す。

「せめて靴だけでもと、少女の赤い靴は施設に保管されていたが、それもあるときふとどこかに消えちまったそうで」
「そして、赤い靴の都市伝説が出回り始めたのは、ちょうどその赤い靴が消えた頃と符合している…」

「どうです?」
「まぁ世間はこんな与太話信じちゃくれませんがね、あんたさんは違うんじゃないですかい?」
「まぁ俺から言えるのはこんなとこですかねぇ…」



5-3. 質疑応答


🟡KP向け:岡崎の応答について


仕事として受けている場合、岡崎は知っていることを包み隠さず教えてくれますが、赤い靴の都市伝説の方は本腰を入れて追っているわけではないので、そこまで知っていることはありません。

▶記者岡崎への質問例



PL 赤い靴の呪いの解き方を知っているか?

「俺もそっちに関しては聞きかじった程度でしてね」
「残念ながら存じません」


PL 赤い靴の呪いの制限時間知っているか?

「残念ながら…」
「でもこの事件、チラと調べて分かる程度に被害者がそれなりに多い」
「先日もなんとかってインフルエンサーがSNSで助けを求めてるのを見たし…」
「そういった当事者連中をあたってみちゃどうですかい?」


PL 赤い靴事件/つわどこをしっているか?

「ああ、横浜ローカルのけったいな妖怪でしょ?」
「つわどこつわどこって言いながら足を引きちぎって持ってくってやつ」
「残念ながら詳しくは…」


PL 赤い靴の童話/ミュージカルについて

「ありゃ赤い靴違いでしょう」
「由来も何も全く違うもんですから」
「それとも足を潰されて死ぬ前に、いっそ切断してみやすかい?」



5-4. 次の調査へ


「さて、報酬分は語ったし、俺はここらで御暇しますかね」

そう言って彼はニコリと笑って手を差し出す。
その手が意味するところは…

🔽報酬を拒否する場合


「いいんですかい?お急ぎでしょう?」
「こちらはいくらでも足止めする方法はあるんですぜ?」
「親切心で救急車を呼んでやっても、不審者が居るって通報してやってもいい」

「命に比べたら大した額じゃないと思いますがね…」

そう言うと男は不敵に笑う。
確かに、このような場所で足止めを食らっている場合ではないだろう。
ましてこの足では走って立ち去ることも叶わない。

🔽報酬を払う場合


「へへ、毎度あり」
「微力ながらあんたさんの無事をお祈りしてますぜ」

「無事助かったら今度はこっちが取材させてくださいよ」
「もちろん、そのときは報酬ははずみますんで」

そう言って彼は上機嫌でその場を後にする。

気がつけば店を訪れて30分ほど時間が経っていた。
あなたも店を後にしようと急ぎ席を立とうとする。
すると、座っていたため多少マシだったが、地に足をつけた瞬間耐え難い痛みがあなたを襲う。
どうやら話している最中にも足の収縮は進行してしまっていたらしい。
後どれほどの猶予が残されているのだろうかとあなたの心は不安に押しつぶされそうになる。

 SANc:1/1D3 
 DEX-5 (6版は-1) 
※対象は赤い靴を履いているPCのみ
※DEXは0以下にならない

とはいえ立ち止まっても居られない。
次にあなたはどうするだろうか?




▶調査に戻る場合               :2.調査
▶赤い靴伝説の被害者の友人にアポを取る場合  :3.友人
▶赤い靴のミュージカルを見に行く場合     :4.演劇
▶赤い靴童謡に異説を唱える記者にアポを取る場合:5.記者
▶赤い靴事件から逃れた被害者にアポを取る場合 :6.怪異
▶調査を終えて情報を整理する場合       :7.限界