導入

🟡KP向け:シナリオ中の略称


RP    :ロールプレイのことです
 SANc  :SANチェックのことです

0-1. 部長からの依頼


君たちは新聞部員だ。
今日は放課後部長に話があると呼び出しを受け、新聞部の部室へとやってきた。

通い慣れた部室、特段ノックもせずに扉を開けて一歩中に入ると、部室は珍しく静寂に包まれていた。
部屋はいつもながらに活動の痕跡で満ちており、壁は過去の新聞記事や写真で埋め尽くされている。
それらの資料が部屋の歴史を語り、活気ある日々を思い起こさせる。

部屋の中央には大きな作業テーブルが置かれており、その上は未完成の新聞レイアウトや記事のプリントアウトで散らかっている。
テーブルの周囲に置かれた椅子は無造作に押し込まれており、まるで部員たちが急に立ち去ったかのような雰囲気が漂っている。
床には新聞の切れ端やノート、ペンが無秩序に散乱しており、静けさの中でかつてその場であった活気と臨場感を残している。
誰もいない部室で一瞬佇んでいると、後ろで扉が重い音を立てて開く。

「もう来ていたか、すまない。またせたな」
そう言って現れたのは新聞部の部長、日比野 貞人(ひびの さだひと)だ。
彼は定住地である最奥の席に腰掛けると、机の上の資料をどけながら君たちに話を切り出す。

「お前たちを見込んで1つ取材をお願いしたい、今夏の目玉記事にする予定だ」
「テーマはズバリ、学校の七不思議!定番中の定番だろう?」
「七不思議といえば学校ごとにバリエーションが有るのがお決まりだが、我が校も例に漏れず個性的な七不思議が伝えられている」
「お前たちにはそのすべてを取材して記事にしてもらう、わかりやすい話だろう?」


君たちも七不思議には聞き覚えがある。たしか本校のラインナップは…

・グラウンドの二宮金次郎像
・音楽室のベートーベンの肖像画
・3階門の鏡
・理科室の人体標本
・2階中央の階段
・女子トイレの花子さん
・旧校舎の教室

のはずだ。

「無論、責任は俺が取る」
「準備が良ければ今晩にも取材に挑んでほしい」
「どうだ?お願いできるか?」
意気込む部長に君たちはなんと答えるだろうか?

>返答RP等

「よし、話は決まりだな。期待しているぞ…!」

「さらにだ、このままじゃ普通の学校新聞だ」
「今回はもう一捻り付け加えたいと思う」
「ズバリ、写真にテーマを設ける!」
「このテーマをすべてを満たすように写真を撮ってきてくれ!」

そう言って部長から示されたのは以下のテーマだ。

▶テーマ


・エレガントな〇〇
・セクシーな〇〇
・スリリングな〇〇
・スタイリッシュな〇〇
・キュートな〇〇
・クレイジーな〇〇
・エキサイティングな〇〇

※例えばセクシーなベートーヴェンなど
※どの怪異にどのテーマを当てはめるかは自由

🟡KP向け:テーマノルマについて


フリーRPだけだとKP/PL双方とも動きづらいため、動く指標を設けてあります。
このテーマを満たすようにシチュエーションをコントロールするのに、技能をふらせたりしてください。
あくまでフック目的なので、テーマ内容はKPないし、PLの提案で変更しても構いません。

「これでただの七不思議特集にとどまらない新鮮な記事になるはずだ!」
「よし、説明は以上だ、何か質問はあるか?」

「それじゃ今日は夜に備えてもう帰っていいぞ」
「今日は新聞部の窓は開けておく、校舎にはそこから入ってくれ」
こうして君たちの七不思議取材が始まったのだった。


0-2. 学校への侵入


月明かりだけが頼りの深夜、君たちは校門にたどり着く。
通い慣れた通学路もこの日ばかりは違ったものに感じられた。
眼の前には重く閉ざされたゲートがあり、それは静まり返った学校への正面からの侵入を禁じる最後の砦であった。
しかし、夜の冒険者である君たちは、この障害を乗り越えるためにここに来た。

周囲を見渡し、誰もいないことを確認すると、きみは息を静かに整える。
そして、フェンスに手をかけ、ゆっくりと体を持ち上げる。
靴のゴムが金属にひっかかる音が静かに周囲に響き、心臓の鼓動がそれに合わせて速くなる。
心が急く中、君は手足を巧みに使い、静かに、しかし確実にフェンスをよじ登る。

頂上に達したとき、金属の冷たさが指先に染みる。一瞬の躊躇の後、校門の向こう側へ身を投げる。
慎重に着地するも、ドサリと大きな音が響き、君の頬に冷や汗が伝う。
かくして君は学校の敷地内へと侵入を果たした。
目の前に広がるのは、通い慣れた校舎群。しかし暗闇と静寂がその存在を普段とは違う不気味なものにしている。

深呼吸を一つし、前方に進み出る。周囲は完全に静まり返っており、自分の足音だけが異様に大きく感じられる。
校舎の窓は一つとして灯りがついておらず、どの教室も夜の帳に包まれている。
ただ、夜風が時折、木々を揺らす音が聞こえる以外は、何もかもが動きを止めているようだ。

かくして、夜の帳が下りる中、君たちの深夜の七不思議取材はスタートしたのだった。


0-3. 七不思議一覧


さて、君たちは何処から取材に着手するだろうか?

◆不思議1:グラウンドの二宮金次郎像
◆不思議2:音楽室のベートーベンの肖像画
◆不思議3:3階門の鏡
◆不思議4:理科室の人体標本
◆不思議5:2階中央の階段
◆不思議6:女子トイレの花子さん
◆不思議7:旧校舎の教室